【下準備はバッチリ!】リセッションが始まるまでの順序とアメリカ経済の現在位置

雑談
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アメリカの景気後退局面は、すぐそこまで来ています―――

当ブログでは、米国株投資一辺倒は気を付けてくださいと警鐘を鳴らし続けてきました。なぜなら、アメリカがリセッションを避けることができず、過去の事例に倣ってリセッションへの準備が着々と進んでいるからです。

今回の記事では、リセッションが発生するまでの手順と現段階がどこまで進んでいるのか?について記載したいと思います。

リセッションまでの順序

  1. 政策金利の高騰による、長短金利差が逆転し逆イールド発生
  2. 銀行融資の厳格化に伴い、市場へのマネー供給が減る
  3. ローンが組めなくなり、消費活動が抑制される
  4. 生産活動の縮小、企業の業績悪化
  5. 雇用が維持できず、失業率の急激な上昇(リセッション入り)
  6. 景気悪化に伴い、急激な政策金利の利下げ

大まかに分けると、リセッションまでは上記のような流れで進んでいきます。5番の失業率上昇と6番の急激な利下げは、ほぼ同時期に発生すると考えてもらって構いません。そのタイミングまでくると、経済は悪化の一途を辿り、利下げ程度で回復するようなレベルではない重症状態にあります。これが、リセッションです。

そして、現在は4番と5番の間に位置していると思われます。当ブログでは、毎週更新している記事にて重要な経済指標をピックアップし、経過観察を続けています。そちらをご覧の方であれば、今の状況が少しは理解できていると思います。

「生産活動の縮小・企業業績の悪化」については、先週の記事にて紹介しましたがISM景気指数などを見ることで、景気の現状をある程度見ることができます。

↓先週の更新記事

上記の記事内で紹介していますが、ISM景気指数とは50を下回ると経済活動が縮小していることを表します。そして、前回のISM景気指数の発表では、製造業・非製造業のどちらもが50を下回り、景気が悪化していることを示しました。アメリカや日本のような先進国では、製造業よりも非製造業のほうが経済に占める割合が大きく、前々回まではISM景気指数も非製造業だけは50を上回っていました。しかし、その非製造業までもが50を下回ってしまい、アメリカの景気が非常に悪いことが想定できます。

また、4番の企業業績の悪化や3番の消費者がローンを組めなくなっていることは、以下の記事にて紹介しています。

そして、これからは失業率の上昇となります。先週の記事でも紹介しましたが、現在のアメリカでは失業率がじわじわと上昇してきています。そして、過去の例を見るとリセッションに入るタイミングで、必ず失業率の急激な上昇が発生しています。

前々回の雇用統計では失業率が4.0%でしたが、前回の雇用統計では失業率が4.1%とわずかながらに上昇しています。そして、アメリカの金融政策はビハインド・ザ・カーブで考えられているため、経済が良い方向にも悪い方向にも行き過ぎてから対応する傾向があります。

↓の記事にて紹介しています

【マイナス金利解除】日銀とFRBの物価上昇に対する金融政策の違い
2024年3月の日銀金融政策決定会合では、イールドカーブ・コントロールとマイナス金利の解除が決定されました。この方向転換は大きなリスクを伴いますが、現在の経済状況からの判断とされています。日銀総裁の発言では、物価上昇が持続的に進む見通しである一方で、緩和的な金融環境の継続が必要とされています。 同時に、アメリカのFOMCでは金利の据え置きが決定されました。これは、今後の経済動向を注視するためのものとみられます。アメリカの金融政策では、インフレ率が目標水準に達するまで利下げが続く可能性が高く、その後も慎重な対応が求められます。 一方、日本のCPIは市場予想よりもやや弱い結果となりましたが、物価上昇は続いています。日銀は利上げへの舵取りを始めており、今後の経済動向に注目が集まっています。金融政策のタイミングに関する議論は続きますが、適切なバランスを保つことが重要です。 2024年3月、日本のCPIが発表されました。前回の記事では、GDPがマイナスになりながらも物価が上昇する「スタグフレーション」の状況に言及されました。日銀の会合ではマイナス金利解除に向けた動きがあり、これが利上げへの舵取りと見られます。CPIの結果は市場予想よりも若干弱かったものの、物価上昇の兆しがあります。日銀はインフレ目標達成へ向けて利上げを検討しており、円安から円高への転換も模索されています。今後の金融政策の適切なタイミングには疑問が残りますが、マイナス金利解除はポジティブな動きとして捉えられます。

ですので、失業率が上昇してから慌てて急激に利下げを行うのですが、その時にはすでにリセッション入りしているため、取り返しのつかない状況まで追い込まれます。おそらく、今回もそのような対応に迫られるため、現在の失業率がじわじわ上昇していることには警戒すべきです。

これから起こることは、過去の歴史に学ぶのが一番です。歴史は繰り返されます。

そう考えると、これからアメリカの経済がソフトランディングして、何事もなかったかのように上昇し続けると考えるのは、楽観的過ぎます。これから規模は違えど、過去のリセッションと同じような結果へと進んで行くでしょう。

そんな中、日本では新NISAが始まり、S&P500への投資が最適解かのような風潮が広まっています。これから投資を始めた人達には、大きな試練が待ち受けていることになります。今から始まろうとしている大暴落を乗り越えられる投資家が、将来的に大きな利益を手にすることは間違いありませんが、一体どれほどの割合で市場に残り続けることができるのでしょうか?

あくまで投資は余剰資金。リスク管理を徹底し、どんな暴落が来ても市場から退場することなく投資を続けれるような体制づくりが大事です。

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