アメリカの不動産が、すでにリーマンショック級で価値が下落しているかもしれません。
アメリカの商業用不動産の価値が大きく下落したことで、日本のあおぞら銀行などに影響が出ている件については、以前の記事でご紹介した通りです。
そして、記事内でも紹介していた桑港たかしさんのYoutubeチャンネルにて、サンフランシスコの次はサンホセという下町のテナント状況が紹介されていました。
詳しくは、動画を見てもらえればわかると思いますが、商業用不動産のテナントに1店舗も店が入っていない通りなどが映し出されていました。
動画内にて紹介されている街並みを見ても、とても景気が良いとは思えないような寂れた感じが映し出されています。
テナントに店が入らないとなると家賃収入が見込めないため、その不動産は価値を生み出さないものとなります。
価値を生み出さないだけであれば大きな問題にはなりませんが、不動産を借金してまで購入していた場合は大問題になります。
なぜなら、家賃収入を不動産購入時の借金返済に充てながら運用するはずだったのが、その家賃収入が無い場合はどうやって返済を進めるのでしょうか?
もちろん、返済できない場合は担保となっている別の資産(保有している株や債券や別の不動産など)が差し押さえられ、売りに出されるわけです。
そうしないと、融資した側が自分たちのお金をただ失ってしまうことになります。
ここで恐ろしいのが、サンフランシスコも今回の動画のサンホセも街全体が家賃収入を生み出さない状態になっているということです。
商業用不動産のオーナーが大金持ちで、一括で不動産を購入していれば問題ありませんが、全部の不動産がそのような買われ方をしていることはまず無いでしょう。
ということは、これから借金の返済ができないオーナーが続出するはずです。
もちろん、何かしらの担保を入れてお金を借りて、そのお金で不動産を購入したわけですから、返済ができないと判断されると担保の資産が売りに出されます。
これは、非常にまずい状況ですね…
売りが売りを呼び、棄損した資産価値を担保できない可能性すらあります。
そうなると、いわゆる不良債権というものになり資金が詰まってしまいます。
そして、大不況へと繋がっていくわけですね。
ただ、今回は商業用不動産の問題であり、住宅用の不動産には問題ないと思われがちですが、そちらも何やら危険な香りが漂い始めています。
上記のグラフは、アメリカにおける新築住宅販売価格の中央値を表したものです。
2020年のコロナショック時に、尋常ではないほどの給付金が撒かれたおかげで住宅価格が一気に上昇しましたが、現在は下落傾向にあります。
つまり、新築住宅が売れなくなっているということです。
2008年のグレーで塗られた箇所がリーマンショックの時ですが、今に比べるとだいぶ緩やかに下落しています。
そして、リーマンショックの時よりも下落幅が大きくなっている点に注意です。
商業用不動産だけではなく住宅用の不動産も、これからやばい状況になっていきそうですね。
そして、この問題は不動産だけで収まらない点に注意が必要です。
今後のアメリカ経済がリセッションを回避できる可能性は、限りなく低いと思います。
新NISAから積立投資でS&P500に投資している人々は、初っ端から痛い目を見そうですね。
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