【米国債危機】次の金融危機の震源地は、日本の可能性もあり得る!?

雑談
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あおぞら銀行に引き続き、日本の銀行がまたしても米国債の含み損に耐えられなくなりました。それも相当な規模の損失が出ているようです。

その銀行とは、農林中央金庫で最終的な赤字は1.5兆円にものぼるそうです。

農林中金、米欧の国債10兆円相当売却へ-今期最終赤字1.5兆円規模に
農林中央金庫は、保有する米欧の国債およそ10兆円相当を売却する計画だ。読みが外れた外債投資での損失を確定させる。農林中金の広報担当が明らかにした。

上記の記事によりますと、米国債の含み損が予想よりも拡大し続け、これ以上は危険だと判断されたため売却して損失を確定させることになったようです。というのも、米国の金利がすぐに下落するだろうと予想していたが、思った以上に高金利の水準で長期化し、今後も金利が引き下げられないのではないか?との懸念から、国債の売却判断に踏み切ったようです。

2023年の3月頃に、アメリカの地方銀行が複数社破綻したことが思い出されますが、アメリカはその後BTFPによって自国の銀行の救済措置を行いました。BTFPとは、簡単に言うと農林中金のような銀行が抱えている国債の含み損を国が補填するような仕組みで、銀行が債券の損失を一時的な借り入れにより肩代わりしてもらえるようなものです。ただ、それも今年の3月に終了しているため、アメリカの銀行もこれ以上の金利上昇による債券価格の下落は避けたいと思っているはずです。

上記がBTFPの借入額の推移です。今年の3月でBTFPは終了しているのですが、それ以降の借入額の返済が進んでいません。おそらく、このまま借り続けておかないとアメリカの銀行も国債の含み損を他で補填することができないのでしょう。

そして、BTFPはアメリカの銀行にのみ適応される法律です。ですので、日本の農林中金のような銀行は、どれだけアメリカの国債で含み損を計上しようとも、誰も助けてくれません。これでは、アメリカ以外の銀行が抱える米国債の含み損リスクは、世界中で顕著に表れ始めるでしょう。

つまり、日本の銀行以外にも世界中の国々の銀行は、アメリカの国債を買っています。そして、その国債の価格が下落しているということは、世界各国の銀行に農林中金のようなストレスがかかっているということです。農林中金がギャンブル的な運用をしていたから、赤字規模が拡大しニュースに取り上げられるようになったわけではありません。おそらく、ニュースにならないだけで、こういった事態が世界中の銀行で発生していると予想できます。

次に発生する金融危機は、アメリカではなく世界中の銀行かもしれません。米国債の金利上昇による価格の下落が、世界中の銀行へとストレスを与えています。体力のない銀行から、破綻していくことは間違いありません。

また、FRBによると長期の中立金利は2.8となっていますが、こちらも過去の推移を見るとだんだんと引き上げられています。

これまでは、2.5と予想されていたのが前回のFOMCにて2.6に引き上げられ、今月のFOMCでは2.8に引き上げられています。農林中金もこういったデータを見て、楽観的な利下げが行われないし、行われたとしてもそこまで下がらないと判断したので、国債の売却を行ったのだと思います。

この中立金利の予想も楽観的なところがあると思うので、これからも予想の水準は引き上げられると思います。そして、その引き上げられる金利水準を見て、農林中金のように国債の売却が行われることになるだろうと思います。そうなれば、世界中の銀行がパニックになり、資金が行き詰ります。

これまでも散々警告を発信してきましたが、徐々にそのシナリオが実現しようとしています。ただ、震源地がアメリカではなく、日本の可能性も大いにあり得るため、十分な余力と資金管理を怠らずに警戒しておきましょう。

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