【インフレとスタグフレーション】米CPIと日本GDPが示す経済の行方

週刊投資経済
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こんにちは、くろいずです。

毎週土曜日に更新する、投資に関わる経済ニュースをお届けします。
1週間内に発表された経済指標などを定期的にウォッチし、今後の経済動向について解説します。

※投資を推奨する記事ではございません。投資は自己責任・自己判断のもとよろしくお願いします。

2024年5月13日~2024年5月17日の経済情報

2024年5月 米CPIが発表!

金利の動きに影響を与えるCPIの発表が行われました。

現在の市場環境では、こちらの数値が高ければ利上げを行うかもしれない懸念から円安へ動き、低ければ利下げを行うかもしれない期待から円高へと動きます。

CPIとは、一定の基準年度を基準として、その年度における一般消費者の物価水準を100とし、それ以降の年度での物価の変動を比較します。具体的には、一定のカテゴリー(食料品、住宅、交通費など)の代表的な商品とサービスの価格を調査し、それらの重み付けを行って指数を算出します。
CPIは通常、インフレーション(物価上昇)やデフレーション(物価下落)の指標として使用されます。インフレ率は、異なる期間でのCPIの変動を通じて計算されます。

前年比今回(4月)市場予想(4月)前回(3月)
CPI+3.4%+3.4%+3.5%
コアCPI+3.6%+3.6%+3.8%

結果は、市場予想の通りとなり若干ですが、インフレが落ち着いてきています。

ここ2年ほどのCPIの推移を見ても、2022年のピーク時から比較すると3%前半で落ち着いてきています。しかし、FRBが目標としているインフレ率は2%であり、今の水準よりもあと1%ほど落とさなければなりません。となると、今の金利水準よりも多少なりとも利上げを行うか、それとも今の高金利の水準を長く維持する必要があり、ドル円は今の円安環境から当分抜け出せそうにないでしょう。

市場の金利予想は、年内利下げを3回ほど見込んでいるようですが、当ブログとしては「利下げは1回あるかもしれない…」ぐらいの温度感で見ています。つまり、今の市場の利下げ予想は楽観的であり、これからもアメリカは高金利の状態が続くと予想しています。

そのため、これからも米国債は高利回りでクーポンが返ってくるため、そのドルを次の暴落に備えてキャッシュ待機しています。また、暴落が発生する時は過去の例から見ると、利下げが行われて逆イールドが解消されたタイミングで株価の暴落が始まっています。そして、利下げが行われるということは債券の価格が上がるということなので、ある程度利下げが進めば、今の債券を売ってしまって暴落後の株を買い増すための資金に移すことができないか?と考えています。

これらの暴落は、資産を持っている人からすれば防衛しなければいけませんが、資産を持っていない人からするとチャンスになります。ピンチをチャンスに活かせるように、いつアメリカの利下げが始まるのか?当ブログでも引き続き注視していきたいと思います。

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2024年1-3月期 日本のGDP・速報値が発表!

円安が一時期160円をタッチし、いまだにコストプッシュ型のインフレが継続している日本ですが、ここでGDP速報値の発表です。これまでのインフレが、しっかりと経済成長へと反映されているのか?を確認し、今の状態が良いのか?悪いのか?を数値で判断できる材料の一つとなります。


GDP速報値(Preliminary GDP)は、国の国内総生産(Gross Domestic Product, GDP)の初期の見積もりを示す経済指標です。通常、経済統計機関はGDPの確定版を発表するまでに数回の推計を行います。速報値は、これらの推計の最初の段階であり、国の経済活動全体の初期の評価を提供します。

  1. 早期の情報提供: GDP速報値は、経済の状態について最初に情報を提供するため、政策立案者や投資家、企業などが迅速に経済の動向を把握するのに役立ちます。
  2. 修正の可能性: GDP速報値は後に修正されることがあり、最終的な確定版が発表されるまでに数回の修正が行われることが一般的です。これは、新しい情報が入手可能になったり、過去のデータが修正されたりするためです。
  3. 市場への影響: GDP速報値が予想を上回ったり下回ったりすると、金融市場に影響を与えることがあります。市場参加者は速報値を注視し、将来の経済の方向性を考慮して取引や投資判断を行います。
  4. 経済政策の調整: 中央銀行や政府はGDP速報値を考慮して、金融政策や経済政策を調整することがあります。特に景気の動向を判断する上で、経済全体の健康状態を示すGDPの情報は重要です。
速報値今回市場予想前回
GDP-0.5%-0.3%±0.0%

これほどのインフレが続いているにも関わらず、経済成長へと寄与していないことが今回のGDP速報値から判断できます。インフレは続くが、経済は低迷しているというスタグフレーション的な状態に進んでいます。

それもそのはずで、実質賃金が24ヶ月連続のマイナス状況であることから、働いても働いても人々の手元に残る賃金が市場の物価上昇率と比べると減っていっているわけですから、個人消費が伸びません。個人の消費が伸びないとなれば、企業はモノやサービスを売ることができないわけですから、業績が伸びません。ただし、輸入で仕入れる材料のコストは上がるわけですから、価格を下げることもできない。

このような状況では、明らかに減税が求められます。これ以上、国民の賃金を下げ続けることに意味はないでしょう。減税+インフレ抑制のための利上げをセットで行うことで、日本の経済は多少なりとも上向き始めると思います。

ただ、その判断を現政権与党の自民党・公明党ができるわけないので、国民は実質賃金が低下し続けてもアメリカの利下げを期待して、円高へと進むことでコストプッシュ型のインフレが鎮静化するのを待つしかありません。

それまで、日本国民はひたすらに我慢を強いられることになると思います。

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