こんにちは、くろいずです。
投資に関わる経済ニュースをお届けします。
毎週土曜日に更新し、その1週間でどのようなニュースが発表されていたのか?を分かりやすくまとめています。
※投資を推奨する記事ではございません。
※投資は自己責任・自己判断のもとよろしくお願いします。
2023年10月9日~2023年10月13日の経済情報
2023年9月 米CPIが発表!
今年はもう利上げが行われないとの予想が大多数ですが、その予想を確信的なものにするための経済指標であるCPIの発表がありました。
今回の発表で強い結果が出てしまった場合、インフレを鈍化させるための利上げ懸念が再度浮上することになるでしょう。
CPIとは、一定の基準年度を基準として、その年度における一般消費者の物価水準を100とし、それ以降の年度での物価の変動を比較します。具体的には、一定のカテゴリー(食料品、住宅、交通費など)の代表的な商品とサービスの価格を調査し、それらの重み付けを行って指数を算出します。
前年比 | 今回(9月) | 市場予想(9月) | 前回(8月) |
---|---|---|---|
CPI | +3.7% | +3.6% | +3.7% |
コアCPI | +4.1% | +4.1% | +4.3% |
結果は上記の通りで、予想より少し高い水準になりました。
食品・エネルギー価格を含むCPIに関しては、今年の頭ぐらいから明確に鈍化してきていますが、食品・エネルギー価格を除いたコアCPIに関してはまだまだ横ばいな状況です。
また、今週に入ってからイスラエルとハマスの戦争が勃発し、原油価格の高騰が予想されるため、エネルギー価格によるインフレが再燃するかもしれません。
もともとはロシアとウクライナの戦争によってエネルギー価格の高騰が発生しましたが、それが鈍化し始めると次は中東でも戦争が勃発しています。
これは、何が何でも世界経済のインフレを下げさせないため、何かしらの力が働いているような気がしますね。(陰謀論じみたことではありますが…)
CPIが予想通りの結果となり、市場の金利予想は年内の利上げは発生しないとの予想になっています。
とはいえ、CPIの数値的にはとても強い結果になっていますし、戦争が勃発してエネルギー価格の高騰が懸念されているので、これもまた楽観的すぎる見方だなと思います。
これだけ不安材料がある中で、積極的な投資を行うのは危険だと思います。
今は、コツコツ積立投資のみを継続し、現金を引き続き貯めておくという戦略が良いのではないかと思います。
投資は、貯金の分散 x マラソンです。
今週のコメント
米国の利下げが行われても、円安が進み続ける理由
去年のFRBによる強烈な利上げにより、ドル円は大きく円安方向へと進みました。
その後、なんだかんだあって現在は149円/ドルほどで推移しています。
そして、この理由が日米による金利差だという話が一般的にされていますし、自分も当ブログにてそのような紹介をしていました。
しかし、根本的な原因では金利差は副次的なものに過ぎません。
ドル円が円安に進む理由は、円を売ってドルを買うという取引が盛んにおこなわれているからです。
つまり、アメリカの現在の短期金利が5%ほどで推移しているため、ドル建てのMMFなどで運用すると年率5%のリターンが得られるのに対し、日本では金利が0付近で推移しているため日本円で運用している場合と比べると5%ものリターンの差が生まれてしまいます。
そのために、日本円ではドル建てのMMFを買えないので、日本円を売ってドルを買う、そして買ったドルでMMFを買う、といった流れがあるので円安に進んでいるわけです。
なので、金利差が理由で円安が進んでいるというよりは、金利差によるリターンを得るために円を売ってドルを買っているから円安が進んでいる、といったほうがより明確だと思います。
そのように考えると、実は金利差が理由でなくとも円安が進むような要因があります。
それは、日本がここ数年ほど貿易収支が赤字になっているという点です。
上記記事の一枚目の画像を見ると、大きな赤字が去年から続いています。
つまり、海外の通貨を稼いで日本円に戻すというより、日本円を売って海外の通貨に変換して物を購入している金額のほうが大きいということです。
これは、さっきのロジックに当てはめるとどんどんと円安が加速する原因になります。
なぜこのような状況になっているのかというと、日本は食料やエネルギーを自国内でまかなうことができないため、海外からの輸入に頼っています。
つまり、日本円を売って海外の通貨に変換し、食品やエネルギーを輸入しているので、生活するだけで円安は進みます。
そして、消費者の所有物や利用しているサービスなどを見ても、円安が進むことがわかります。
街中を歩くと、スマホを触っている人がほとんどだと思いますが、日本は圧倒的にiPhoneの使用率が高いと言われていますし、実際にiPhoneユーザーをよく見かけます。
iPhoneは、Apple社が製造しているので、iPhoneを購入するということはアメリカへ資金が流れていき、円安が進みます。
では、Androidだとどうなのか?と言われると、AndroidもGoogle社が作っているOSなので、アメリカへと資金が流れている構造は変わりません。
(厳密には、端末の製造は日本のソニーやシャープでも作られていますが、ソフトウェアがアメリカ製ということです。)
そして、人によってはNetflixやディズニー+、Spotify、iOSのクラウドサービスやAdobeのサービス、YoutubeやAmazonプライムなど様々なサブスクリプションを契約している場合があります。
今、例に挙げたものはすべてアメリカの会社が提供しているものであり、毎月毎月アメリカへと資金が流れていく構造がここでも出来上がっています。
資金が流れていくということは、日本円を売ってアメリカドルへと変換されているわけですから、円安が進みます。
つまり、金融市場の金利差だけでは円安は止まらないところまで浸透していることがわかります。
これでは、いくら金利差が逆転して一時的に円高になろうとも、円安方向へとトレンドは変わらないと思います。
なので、日本円だけで貯金していると実質的な価値が目減りすることになるので、通貨の分散という意味でもアメリカ株や全世界株へと投資を行うことは理にかなっています。
日本で生涯暮らしていくのは自分で決めれることなので良いと思いますが、通貨の価値は自分以外の人々が決めるため、投資先をアメリカ株や全世界株へと分散しておくことで保有通貨を分散させておくことが理にかなっていると思います。
これから円安が進んだとしても、自分の資産は目減りさせないように分散を行うことが生き残るうえで大事なことだと思います。
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