こんにちは、くろいずです。
投資に関わる経済ニュースをお届けします。
毎週土曜日に更新し、その1週間でどのようなニュースが発表されていたのか?を分かりやすくまとめています。
また、スイング・中長期トレードの成績も毎週公開し、反省点や気付きをまとめています。
長い目で見て、上達する姿を見ていただければと思います。
※投資を推奨する記事ではございません。
※投資は自己責任・自己判断のもとよろしくお願いします。
2023年7月31日~2023年8月4日の経済情報
2023年7月 米ISM景気指数が発表!
企業の購買担当者へ調査されるISM景気指数が発表されました。
こちらの指数では、製造業と非製造業に分かれて集計され、企業の経済活動の景況感を測るために使われます。
- 製造業景況指数(Manufacturing Purchasing Managers’ Index, PMI): 製造業の生産活動、新規受注、在庫、雇用などの項目について調査し、それらの指標を総合的に評価したものです。PMIは、50を基準として、50以上で景況の改善を示し、50以下で景況の悪化を示します。
- 非製造業景況指数(Non-Manufacturing Purchasing Managers’ Index, NMI): 非製造業(サービス業、建設業など)の新規受注、ビジネス活動、雇用、在庫などの項目について調査し、それらの指標を総合的に評価したものです。NMIも、50を基準として、50以上で景況の改善を示し、50以下で景況の悪化を示します。
ISM景気指数 | 今回(7月) | 市場予想(7月) | 前回(6月) |
---|---|---|---|
製造業 | 46.4 | 46.9 | 46.0 |
非製造業 | 52.7 | 53.0 | 53.9 |
今回は、製造業・非製造業のどちらも下落しているため、景気が悪くなっているような印象を受けます。
アメリカは、製造業の国ではなく非製造業(サービス業)が盛んな国であり、そちらに関しては世界トップの経済規模を誇ります。
その非製造業が下落気味になってはいますが、数値として50を超えているため景気は拡大傾向にあると言えます。
市場の金利予想は、年内利上げは行わずに今の水準を保つという見方がほとんどです。
6月のFOMCにて、2023年内に2回の利上げ(内1回は7月に実施)を考えているという発言があったにもかかわらず、これ以上の利上げは行われないと予想しているのですから、なんとも傲慢に感じてしまいます。
非製造業が50を下回り、景気が悪化していかないことにはインフレの収束も見えてこないと思いますので、今の金利水準ではまだまだ引き締めが足りないのかもしれません。
しかし、製造業を見ると確実にダメージが出ているので、この辺りの舵取りをFRBがどのように考えているのか?今後の動きに注目です。
2023年7月 米雇用統計が発表!
景気の転換期において、特に注目される雇用統計が発表されました。
株式市場などに及ぼす影響が大きく、現在の経済を測るうえでタイムリーな指標として扱われているため、非常に重要な経済指標になります。
- 労働力参加率(Labor Force Participation Rate): 労働力参加率は、ある国や地域において、労働可能な人々が労働市場に参加している割合を示します。就業者や求職者の人数を労働力として計算し、総人口に対する割合として表されます。
- 失業率(Unemployment Rate): 失業率は、労働市場において仕事を求めているが見つからず、かつ積極的に求職している人々の割合を示します。一般的に、失業率が低くなると、労働市場が健全であることを示し、経済の好調を反映する指標とされています。
- 雇用創出数(Employment Creation): 雇用創出数は、ある期間(通常は月次または四半期)における新たに創出された雇用の数を示します。これは、新たな雇用契約や雇用拡大によって生まれた雇用機会の数を指します。
雇用統計 | 今回(7月) | 市場予想(7月) | 前回(6月) |
---|---|---|---|
雇用者数 | 18.7万人 | 20.0万人 | 18.5万人 |
失業率 | 3.5% | 3.6% | 3.6% |
平均時給 | 4.4% | 4.2% | 4.4% |
労働参加率 | 62.6% | 62.6% | 62.6% |
今回の結果を見ると、予想よりも雇用者数は少なくなっていますが、失業率が前回よりも低下しています。
そして、平均時給が予想よりも上昇しているため、インフレを抑えるために去年から利上げが行われていましたが、どうやらまだまだ引き締めが足りないようですね。
インフレを抑えるためには、失業率の増加と平均時給の減少が必要になりますが、今回の雇用統計では全く逆の動きをしていることがわかりました。
当ブログでは、以前から金利は5%後半まで上昇する必要があり、失業率は4%を超えると予想していますが、今はFRBも様子見といったところでしょうか。
しかし、インフレは恐ろしいもので、いったん落ち着いたと思って利上げをやめるとまた再燃し、そしてまた落ち着いたと思って利上げをやめるとまた再燃する、といった1970年代の歴史があります。
今回もこのままインフレが落ち着くかもしれないと思って利上げをやめると、過去の歴史通りにインフレが再燃するかもしれません。
現在、FRBは利上げを停止している状態ですが、今回の雇用統計を見るとインフレが再燃しかねないデータが発表されています。
このまま利上げ停止を継続したから株式はもう大丈夫だ!と思って楽観的になれるほど、今の環境は良いとは思えませんね。
今週のコメント
夏枯れ相場に巻き込まれるも、保有し続けています
夏枯れ相場とも言われる8月ですが、初旬から日本株は元気がなくなっていますね。
ポジションとしては、損切りラインも利確ラインも超えていないので先週と変わらずの状態です。
また、トレードもスイングというより中長期ぐらいの期間で行おうかと考えています。
目先の値動きよりも、大きな流れの中でポジションを取って、ひたすら待ち続けるといったほうが自分の性格に合っているのかもしれません。
今だと、日本の利上げが行われると思いますので銀行株のポジションを積み上げたり、来年以降のアメリカの利下げを予想して米国債券を買ったりといった具合でしょうか。
なんにせよ、売ったり買ったりガチャガチャしないほうが精神的にも楽ですし、基本放置のスタンスが長く続けられるような気がします。
その辺も、トレードをすることで自分の性格が理解できて来たので、調整しながら投資・トレードと向き合っていきます。
経済指標の読み方を学べる一冊
先日、書店に立ち寄ったところ気になる本を見かけて、購入しました。
今回の記事でもISM景気指数や雇用統計などを記載していますが、そういった経済指標の読み方を紹介してくれる一冊があったので紹介させてください。
エミン・ユルマズさんが書かれていた書籍になります。
表題は世界インフレ時代と書かれていますが、いつの時代にも通用するような内容だと思います。
この本の中身を理解しておけば、これから発表される経済指標の理解も進みますし、投資戦略を確認するために経済指標を使うこともできます。
これまでブログにて紹介していた経済指標が、改めて言語化されて解説されると自分の認識通り間違っていなかったことが確認できてよかったです。
(もちろん、新たな発見や知識も得られました。)
投資をしている人にとっては、間違いない一冊となっているためぜひ購入をオススメします。
コメント