こんにちは、くろいずです。
2022年7月の米雇用統計が発表されました。
こちらの結果を見ると、とても強い雇用状態にある米国労働市場ですが、雇用が強すぎることによる米国金利の上昇が懸念されています。
雇用統計が強いことは、本来良いことのように思いますが、なぜ金利の上昇に繋がるのか?まとめてみます。
7月の米雇用統計
7月の雇用統計は、非常に強い結果となりました。
雇用者数が市場予想の2倍を超えており、人材不足が顕著に表れる結果となっています。
また失業率は、過去最低水準となっております。
そして、平均時給は前年同月と比べると5%も上昇しており、これらの数字を見ると米国市場が非常に好調でこれからの経済の成長を期待できるような感じがします。
しかし、現在の米国経済は高すぎるインフレを抑えるために必死に利上げを行っているところです。
そんな中で、景気が良さそうな雇用統計が出てしまうと市場はどうなってしまうのか?考えてみます。
利上げの懸念が高まる理由
雇用が強すぎるということは、以下のようなサイクルが考えられます。
1.雇用と賃金が改善される
↓
2.人々の購買意欲が上昇する(少しぐらい高くても物を買う)
↓
3.物が売れて企業の利益が多くなる
↓
4.1に戻り、以下ループ
というような、典型的なインフレサイクルになってしまいます。
しかし、先ほども伝えたように今の米国経済はインフレを抑えようと短期間で金利を急激に上昇させています。
それにも関わらず、強い雇用統計が発表されるということは、まだまだインフレが収まっていないことを示します。
なので、9月のFOMCで再び大幅な利上げが行われるのではないか?と投資家達が予想し、株式相場が下落する傾向にあるというわけです。
上記のグラフは、現在の市場参加者が9月に行われる利上げ幅の予想をしているものです。
現在が、2.25%~2.5%ほどの金利ですが、
- 0.75bpを利上げして3%~3.25%ほどになると予想している人達が68%
- 0.5bpを利上げして2.75%~3%ほどになると予想している人達が32%
ほどとなっています。
マーケットの値動きは、そこに参加している人達の考えで決まっていくので、こちらの予想を見る限りまだまだ株式相場としては厳しい環境が続きそうです。
まとめ
今回の米雇用統計を見ると、まだまだインフレの懸念は続きそうです。
しかし、雇用が強いことを理由にバイデン大統領が「リセッション入りはしていない」という発言をされていたり、米国としてはなかなかカオスな状況が続いていると思います。
ただ、見るべきはやはりデータであり、市場参加者のセンチメントを日々追いかけることが大事です。
データが発表されると市場参加者はどのように考えるか?そして、その考えを実行するとしたらマーケットはどのように動くか?この流れを考えることが投資では非常に大事な要素の一つになってきます。
自分としては、まだまだ利上げは続くと予想していますので、秋ごろまでは現金比率を高めにしておき、投資するべきタイミングで資金を入れていこうと思っています。
しかし、今回の発表を見ると秋ごろになってもインフレが収まっていないような気がするのと、インフレが収まった後は経済はものすごくダメージを受けているので、今回の規模から考えると経済が回復するまでに1年~2年ほどはかかるような気もします。
まだまだ安心できない相場ですが、日々のデータを追いかけて今後の投資戦略をブレないものにしていこうと思います。
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