こんにちは、くろいずです。
毎週土曜日に更新する、投資に関わる経済ニュースをお届けします。
1週間内に発表された経済指標などを定期的にウォッチし、今後の経済動向について解説します。
※投資を推奨する記事ではございません。投資は自己責任・自己判断のもとよろしくお願いします。
2024年4月1日~2024年4月5日の経済情報
2024年4月 日銀短観が発表!
日本の大企業の景気を測るうえで外せない、日銀短観が発表されました。日本経済の動向、足元の景況感などを確かめるために、定期的にウォッチしておきたい経済指標となります。
- 経済活動の評価: 日銀短観は、日本国内の企業に対して経済活動に関する評価を求める調査です。これには生産活動、雇用、設備投資、物価、外国為替相場などが含まれます。
- 企業からのフィードバック: 日本国内の企業が調査に回答し、自社の業績と展望に関する情報を提供します。この情報は、日本銀行や政府、市場分析家、経済学者などが経済の動向を評価するのに役立ちます。
- 指標の公表: 調査結果は、日本銀行によってまとめられ、指数として公表されます。指数の変動は、日本経済の現状や景気の動向を示す重要な指標の一つとなります。
- 異なるセクターへの適用: 日銀短観は、製造業や非製造業、小売業、サービス業などさまざまなセクターに適用されます。それぞれのセクターにおける見通しや意見が含まれます。
大企業業況判断 | 今回(Q1) | 市場予想(Q1) | 前回(2023Q4) |
---|---|---|---|
製造業 | +11 | +10 | +13 |
非製造業 | +34 | +31 | +32 |
前回の日銀金融政策決定会合でゼロ金利を解除する方向に動いたので、今までと比べて経済が引き締められるとは思うのですが、今回の日銀短観ではその影響はまだ表れていません。今回の発表は、金融緩和時代の最後の通知簿として、これからの金利がある世界と比べるためのベンチマークとなるでしょう。
結果を見ても、製造業・非製造業ともに市場予想を上回っており、経済が好調なことを表しています。ゼロ金利が解除されてからも、このぐらい経済が強ければ日本株のホントの意味での上昇が止まらないでしょう。今の日本株は、円安の影響もあり割安感があるため海外投資家から資金が流入しています。
次回の日銀短観では、金利が少なくともプラスの状態での成績となりますので、日本経済の先行きが表れます。その時に、海外投資家ではなく日本の投資家が日本株を保有していることが、何よりも重要になってきます。いくら日本の経済が好調で日本の大企業が利益を上げていても、その利益が株主である海外投資家に流れていくのであれば、ただただ日本企業の努力が吸い上げられているだけになります。
また、これからの日本経済は円安の影響を受けて自動車産業などの製造・輸出セクターが大きく業績を伸ばすこととなるでしょう。特に自動車産業は、海外のEVシフトが失敗に終わりトヨタなどのハイブリットに強いメーカーの車がとても売れています。このような海外情勢を踏まえて、日本の強みを生かせる企業へ投資をしておくことが重要になってきます。
これからの日本経済を信じて、調整局面では日本株の買い増しを進めたいですね。
2024年4月 米ISM景気指数が発表!
企業の購買担当者へ調査されるISM景気指数が発表されました。企業の購買力を調べることで、現在の景況感を測るために使われる指標となります。
- 製造業景況指数(Manufacturing Purchasing Managers’ Index, PMI): 製造業の生産活動、新規受注、在庫、雇用などの項目について調査し、それらの指標を総合的に評価したものです。PMIは、50を基準として、50以上で景況の改善を示し、50以下で景況の悪化を示します。
- 非製造業景況指数(Non-Manufacturing Purchasing Managers’ Index, NMI): 非製造業(サービス業、建設業など)の新規受注、ビジネス活動、雇用、在庫などの項目について調査し、それらの指標を総合的に評価したものです。NMIも、50を基準として、50以上で景況の改善を示し、50以下で景況の悪化を示します。
ISM景気指数 | 今回(3月) | 市場予想(3月) | 前回(2月) |
---|---|---|---|
製造業 | 50.3 | 48.4 | 47.8 |
非製造業 | 51.4 | 52.7 | 52.6 |
前回のFOMCにて、パウエル議長が年内の利下げを強調していたことで、市場は利下げ方向への観測が強まっていました。しかし、ISM景気指数が強い結果となりました。このまま景気が拡大していくのなら、とても利下げをすることはできないでしょう。
市場の金利予想も、6月の利下げが行えるのか?疑心暗鬼になってきています。FRBとして一番避けたいのは、下手に利下げをしてインフレが再燃してしまうことです。そうなると、利下げを行うには慎重にならざるを得ないので、今回のISM景気指数の発表を見て判断するなら利下げはできないと思います。
今後のデータ次第ですが、FRBは今年中に利下げを行うことができない可能性さえあります。ただ、早く利下げを行わないと逆イールドが解消されず、どんどんと金融市場の破壊が進みます。このままリセッションを避け、ソフトランディングできるとはとても思えません。逆イールドを伴う形での利下げは、過去のデータを見ると確実にリセッションに陥っています。詳しくは、以下の記事にてご覧ください。
2024年4月 雇用統計が発表!
毎回、発表後にサイレント下方修正が入ってしまう、雇用統計の発表がありました。もはや、信憑性に欠ける指標になってしまったため、この結果を受けて市場が乱高下することには意味がないでしょう。
- 労働力参加率(Labor Force Participation Rate): 労働力参加率は、ある国や地域において、労働可能な人々が労働市場に参加している割合を示します。就業者や求職者の人数を労働力として計算し、総人口に対する割合として表されます。
- 失業率(Unemployment Rate): 失業率は、労働市場において仕事を求めているが見つからず、かつ積極的に求職している人々の割合を示します。一般的に、失業率が低くなると、労働市場が健全であることを示し、経済の好調を反映する指標とされています。
- 雇用創出数(Employment Creation): 雇用創出数は、ある期間(通常は月次または四半期)における新たに創出された雇用の数を示します。これは、新たな雇用契約や雇用拡大によって生まれた雇用機会の数を指します。
雇用統計 | 今回(3月) | 市場予想(3月) | 前回(2月) |
---|---|---|---|
雇用者数 | 30.3万人 | 20.0万人 | 27.0万人 修正前:27.5万人 |
失業率 | 3.8% | 3.9% | 3.9% |
平均時給 | 4.1% | 4.1% | 4.3% |
労働参加率 | 62.7% | – | 62.5% |
やはり、雇用統計のデータは強いですね。いつも、市場予想の+10万ぐらいの値が発表されています。わざと市場の予想を低めに出している可能性さえありますね。笑
そして、前回の結果も下方修正されています。毎回毎回、下方向に修正されます。このような統計を発表することに、意味があるのでしょうか?
市場は、雇用統計を意識して動くことが多いのですが、今の雇用統計は全く機能していません。バイデン政権が今年の大統領選挙に勝つために、どのような手を使ってでも経済を強く見せる必要があるからです。そのように、操作される統計を見て投資判断を下すことは、非常に危険です。
今は、雇用統計のデータを信じるのではなく、雇用統計が毎回強くて、その後に毎回下方修正されているという事実に目を向けたほうがいいと思います。おそらく、米国の雇用は非常に危険な状態なのだと思います。
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