【米経済は強い?】実体経済の雇用がISM景気指数と雇用統計で違いすぎる件

週刊投資経済
スポンサーリンク

こんにちは、くろいずです。

毎週土曜日に更新する、投資に関わる経済ニュースをお届けします。
1週間内に発表された経済指標などを定期的にウォッチし、今後の経済動向について解説します。

※投資を推奨する記事ではございません。投資は自己責任・自己判断のもとよろしくお願いします。

2025年1月6日~2025年1月10日の経済情報

2025年1月 ISM景気指数が発表!

  1. 製造業景況指数(Manufacturing Purchasing Managers’ Index, PMI): 製造業の生産活動、新規受注、在庫、雇用などの項目について調査し、それらの指標を総合的に評価したものです。PMIは、50を基準として、50以上で景況の改善を示し、50以下で景況の悪化を示します。
  2. 非製造業景況指数(Non-Manufacturing Purchasing Managers’ Index, NMI): 非製造業(サービス業、建設業など)の新規受注、ビジネス活動、雇用、在庫などの項目について調査し、それらの指標を総合的に評価したものです。NMIも、50を基準として、50以上で景況の改善を示し、50以下で景況の悪化を示します。
ISM景気指数今回(12月)市場予想(12月)前回(11月)
製造業49.348.248.4
非製造業54.153.552.1
製造業内訳今回(12月)前回(11月)
新規受注52.550.4
雇用45.348.1
非製造業内訳今回(12月)前回(11月)
事業活動・生産58.253.7
新規受注54.253.7
雇用51.451.5

ISM景気指数を見ると、やはり製造業の指数が50を超えてこないので、未だに景気が悪くなり続けていることを考えると、相当経済は弱っているような感じがします。そして、両指数とも雇用の部分に関しては前月よりも落ち込んでおり、民間企業に関しては景気悪化が止まらないような印象を受けます。

今回の発表で注目したいところは、両指数とも新規受注が伸びているという点です。これは、トランプ政権が始まると他国に対する関税政策を行うと明言しているので、ビジネスをする側からすれば早めに国内で動いておかないと輸入に頼っている業種などは打撃を受ける可能性があるからです。なので、今のうちに動けるように仕込みを行っている可能性が考えられます。

また、トランプ政権に移行すれば今のドル高の状況を、利下げによってドル安に誘導することも考えられます。そうなると、製造業はビジネスが活発になる公算が大きいので、今後はISM製造業指数も50を上回るように回復するかもしれません。

これまで民主党政権時代の製造業は、ひたすら縮小傾向にあったため、トランプ政権に移行すると製造業はリバウンドするかのように回復していくかもしれません。1月20日にトランプ大統領が就任されますが、その後のISM製造業の指数に要注目です。

スポンサーリンク

2025年1月 雇用統計が発表!

  1. 労働力参加率(Labor Force Participation Rate): 労働力参加率は、ある国や地域において、労働可能な人々が労働市場に参加している割合を示します。就業者や求職者の人数を労働力として計算し、総人口に対する割合として表されます。
  2. 失業率(Unemployment Rate): 失業率は、労働市場において仕事を求めているが見つからず、かつ積極的に求職している人々の割合を示します。一般的に、失業率が低くなると、労働市場が健全であることを示し、経済の好調を反映する指標とされています。
  3. 雇用創出数(Employment Creation): 雇用創出数は、ある期間(通常は月次または四半期)における新たに創出された雇用の数を示します。これは、新たな雇用契約や雇用拡大によって生まれた雇用機会の数を指します。
雇用統計今回(12月)市場予想(12月)前回(11月)
雇用者数25.6万人16.4万人21.2万人
修正前:22.7万人
失業率4.1%4.2%4.2%
平均時給3.9%4.0%4.0%
労働参加率62.5%62.6%

結果から見ると、雇用状況が回復しており、賃金上昇率が低下しているので、インフレを抑制しつつ失業率を低下させることに成功しているように見えます。民主党政権では、雇用統計について何が何でも悪くならないので、この結果を間に受けることなく疑いの目で見ておくことが重要です。

そもそも今週発表のISM景気指数に関しては、雇用の状況が悪化しているのにも関わらず、見た目上は良い雇用統計が発表されているところに違和感を感じます。また、失業率が低下していますが失業保険継続受給者数は上昇しつつあります。失業者が減ってくるのであれば、失業保険継続受給者数は減少しなければいけません。その兆しが、まだ見られないのです。

この統計には、移民の数も含まれているので全体のパイが常に変動した値で計算されます。なので、雇用統計を信じるよりも、ISM景気指数の雇用指標を見た方が民間企業の実体経済を表していると思われます。そのように考えると、まだアメリカ経済は雇用が安定しているとは到底言えない水準かと思います。

当ブログでは、以前からアメリカの経済は悪化するだろうと予想していますが、いまだにリセッションを伴う景気後退のような事態には陥りません。理由はいくつか考えられますが、民主党政権下では雇用統計などの経済指標が外面だけよく見えるように政府雇用などを増やしている、ステルス緩和で市場にお金を流し続けている(BTFPやリバースレポなど)、点が考えられます。そして、民主党政権では実体経済を表す真実の値は発表されず、これからトランプ政権へバトンタッチし、真実が明るみになってくると思われます。

ここからアメリカの経済は冷え込みつつ、トランプ政権の政策で活性化するという激動の経済を経験すると思いますし、それに合わせて株価も上下に乱高下することでしょう。しかし、自分の投資スタイルを貫いて、焦って狼狽売りなどしないように投資の目的を見失わないことが重要です。暴落に巻き込まれて資産が半分以下になっても、数十年後に取り崩すのであれば投資を継続しなければいけませんし、そこで投資家としてメンタルのスキルが問われます。今後、どのような事態に陥ろうとも、決して投資をやめないことが大事です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました