こんにちは、くろいずです。
毎週土曜日に更新する、投資に関わる経済ニュースをお届けします。
1週間内に発表された経済指標などを定期的にウォッチし、今後の経済動向について解説します。
※投資を推奨する記事ではございません。投資は自己責任・自己判断のもとよろしくお願いします。
2024年9月30日~2024年10月4日の経済情報
2024年10月 ISM景気指数が発表!
- 製造業景況指数(Manufacturing Purchasing Managers’ Index, PMI): 製造業の生産活動、新規受注、在庫、雇用などの項目について調査し、それらの指標を総合的に評価したものです。PMIは、50を基準として、50以上で景況の改善を示し、50以下で景況の悪化を示します。
- 非製造業景況指数(Non-Manufacturing Purchasing Managers’ Index, NMI): 非製造業(サービス業、建設業など)の新規受注、ビジネス活動、雇用、在庫などの項目について調査し、それらの指標を総合的に評価したものです。NMIも、50を基準として、50以上で景況の改善を示し、50以下で景況の悪化を示します。
ISM景気指数 | 今回(9月) | 市場予想(9月) | 前回(8月) |
---|---|---|---|
製造業 | 47.2 | 47.5 | 47.2 |
非製造業 | 54.9 | 51.7 | 51.5 |
前回に引き続き、製造業のほうは相変わらず悪化しており、非製造業に関してはなぜか続伸しているという結果になっています。製造業と非製造業の乖離が大きく、経済全体としては製造業が基盤になりますので、シュリンクしていると思われます。この辺の経済学は、前回のISM景気指数を解説した記事にて記載しております。
↓前回のISM景気指数を解説した記事
また、今回のISM景気指数の内訳は、それぞれ以下の通りです。
製造業内訳 | 今回(9月) | 前回(8月) |
---|---|---|
新規受注 | 46.1 | 44.6 |
雇用 | 43.9 | 46.0 |
非製造業内訳 | 今回(9月) | 前回(8月) |
---|---|---|
事業活動・生産 | 59.9 | 53.3 |
新規受注 | 59.4 | 53.0 |
雇用 | 48.1 | 50.2 |
ここで注目なのは、やはり雇用が縮小しているという点です。それにも関わらず、非製造業のほうは事業活動・新規受注と活発になっています。人々は働き口を失っているのに、経済活動が活発になっているというのは今後の世界的な大きな流れが、すでに始まっていると思われます。
その流れとは、AI自動化・ロボット化です。日本でも、最近はコンビニやスーパーなどでセルフレジの導入などが相次いでいると思われます。そうなると、レジ打ちで雇用されていた人達は不要になりますが、事業活動やセルフレジの機械などの新規発注が増えます。つまり、単純作業に割り当てられていた人が要らなくなるということです。
そして、単純作業に従事していた人が失業すると、なかなか次の仕事に就けません。そうなると、消費者はお金がないので購買力が低下し、物が買えなくなります。そして、物が買えなくなると企業は売上が低下し、利益が上がらないのでリストラを行う…という悪循環に陥ります。このまま進むとリセッションへと陥ることになるでしょう。
↓こちらの記事にて解説しています。
今のアメリカ経済は、とても不安定な状況にあると想像できます。とてもじゃないですけど、投資対象としては筋が悪いと言わざるを得ません。新NISAでS&P500などのアメリカ一本に投資している人は、自分のポートフォリオを分散させておくことをお勧めします。
2024年10月 雇用統計が発表!
- 労働力参加率(Labor Force Participation Rate): 労働力参加率は、ある国や地域において、労働可能な人々が労働市場に参加している割合を示します。就業者や求職者の人数を労働力として計算し、総人口に対する割合として表されます。
- 失業率(Unemployment Rate): 失業率は、労働市場において仕事を求めているが見つからず、かつ積極的に求職している人々の割合を示します。一般的に、失業率が低くなると、労働市場が健全であることを示し、経済の好調を反映する指標とされています。
- 雇用創出数(Employment Creation): 雇用創出数は、ある期間(通常は月次または四半期)における新たに創出された雇用の数を示します。これは、新たな雇用契約や雇用拡大によって生まれた雇用機会の数を指します。
雇用統計 | 今回(9月) | 市場予想(9月) | 前回(8月) |
---|---|---|---|
雇用者数 | 25.4万人 | 15.0万人 | 15.9万人 修正前:14.2万人 |
失業率 | 4.1% | 4.2% | 4.2% |
平均時給 | 4.0% | 3.8% | 3.9% |
労働参加率 | 62.7% | – | 62.7% |
雇用者数が市場予想と大きく乖離しており、数値だけ見ると非常に経済が強いような錯覚を感じます。しかし、雇用統計の雇用者数は大きく下方修正するという発表があったことからも、ただただヘッドラインの数値を鵜呑みにするのは危険です。
そして、今の相場はヘッドラインの数値を見て判断され、上にも下にも大きく動く、ボラティリティが非常に高い相場となっています。今の相場を見て投資する判断は、とても危険で利益を出すのが難しい相場だと思います。休むも相場ですので今の相場環境で投資するよりも、少し待ってから誠実な経済指標が発表され、実体経済と向き合った相場になるまでは、焦らずじっくりと待つほうが良いと思います。
また、今回の雇用統計のトリックはすでに明かされており、政府雇用が非常に大きくなっていることが原因のようです。
1枚目の画像は、政府雇用が8月から9月にかけて91.8万人も増加しているのに対して、2枚目の画像の民間の雇用は45.8万人も減少しています。しかし、トータルで見れば46万人の雇用増となっております。これでは、民主主義国家というよりも共産主義国家ですね。民間の競争力が失われているが、政府は民間から税金を吸い上げて人を雇う。アメリカの資本主義社会も、今の民主党政権のもとでは地に落ちましたね。
そして、この政府雇用の中身もおそらく11月の大統領選挙に向けた、短期バイト的なスタッフがほとんどだと推測されており、この強い雇用状態が長続きすることは無いでしょう。
このように、バイデンやカマラ・ハリス率いる民主党政権で発表される経済指標の数値は、信用に値するものではありません。こんな簡単なカラクリでアメリカ経済を強く見せようとするのは、非常に滑稽です。信頼できる経済を取り戻すためにも、投資家の視点からはトランプ政権になってもらわないとアメリカという投資先を信用できなくなります。
以前から常にお伝えしていますが、今のアメリカ経済は非常に危機的状況にあると思います。大統領選挙後も、本当にアメリカの景気が良いと言えるのか?信頼に足る経済指標の発表があるまでは、積極的な投資は控えておきます。
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