こんにちは、くろいずです。
毎週土曜日に更新する、投資に関わる経済ニュースをお届けします。
1週間内に発表された経済指標などを定期的にウォッチし、今後の経済動向について解説します。
※投資を推奨する記事ではございません。投資は自己責任・自己判断のもとよろしくお願いします。
2024年7月22日~2024年7月26日の経済情報
2024年4-6月期 米GDP速報値が発表!
GDP速報値(Preliminary GDP)は、国の国内総生産(Gross Domestic Product, GDP)の初期の見積もりを示す経済指標です。通常、経済統計機関はGDPの確定版を発表するまでに数回の推計を行います。速報値は、これらの推計の最初の段階であり、国の経済活動全体の初期の評価を提供します。
- 早期の情報提供: GDP速報値は、経済の状態について最初に情報を提供するため、政策立案者や投資家、企業などが迅速に経済の動向を把握するのに役立ちます。
- 修正の可能性: GDP速報値は後に修正されることがあり、最終的な確定版が発表されるまでに数回の修正が行われることが一般的です。これは、新しい情報が入手可能になったり、過去のデータが修正されたりするためです。
- 市場への影響: GDP速報値が予想を上回ったり下回ったりすると、金融市場に影響を与えることがあります。市場参加者は速報値を注視し、将来の経済の方向性を考慮して取引や投資判断を行います。
- 経済政策の調整: 中央銀行や政府はGDP速報値を考慮して、金融政策や経済政策を調整することがあります。特に景気の動向を判断する上で、経済全体の健康状態を示すGDPの情報は重要です。
速報値 | 今回 | 市場予想 | 前回 |
---|---|---|---|
GDP | +2.8% | +2.0% | +1.4% |
今回のGDP速報値では、市場予想を大きく上回る結果となり、アメリカ経済が力強いということを表す結果となりました。ただし、市場では消費者が十分な消費意欲を発揮することが難しくなっており、クレジットカードのローンも借り入れることができなくなってきており、これ以上の経済成長は今までのように簡単ではないと思います。
↓求人件数の激減や、消費者信頼感指数を紹介した記事
↓消費意欲が低下し、スタバやマクドナルドの売り上げが激減していることを紹介した記事
また、今回のGDP速報値の発表後、ここ数日は円高に振れていたドル円が円安へと揺り戻されることとなりました。アメリカのGDPの結果が強いとなぜ円安になるのか?というと、経済の熱気を冷ますために利上げ、もしくは現状の高金利を維持するだろうと考えるため、利下げは行われないはずだと予想されます。その結果として、アメリカの高金利が維持されるのであれば、お金は金利の高いところへ預けておくのが合理的なため、ドル高となります。ドルが高くなる分、その他の通貨は相対的に安くなるため円安へと振れます。
ここ数日の円高、日本株安の影響で資産が目減りしていたので、このまま下落が続くのではないかと気になっていましたが、GDP速報値の発表を受けて円安へ少し戻されたので安心しました。
ただ、当ブログでは以前から主張している通り、アメリカ経済のリセッションは避けられないと考えているため、いつかは暴落に巻き込まれることになると思います。もし、そのタイミングがきたら一旦は投資のことは忘れて、日本の豊かな食文化を楽しみ、相場の動揺を落ち着くまでは日々の生活を楽しむのが良いのかなと思います。
2024年7月 PCEデフレーターが発表!
個人消費支出(Personal Consumption Expenditures, PCE):これは、アメリカの世帯や個人が購入する商品やサービスにかかる支出を示す指標です。これには食料、住居費、医療費、交通費、エンターテインメント費などが含まれます。個人消費支出はアメリカのGDP(国内総生産)の大部分を占めるため、その変動は経済全体の動向に大きな影響を与えます。
PCEデフレーター:個人消費支出の物価変動を示すための指標で、消費者が支出する商品やサービスの価格変動を追跡します。これにより、消費者物価の変動を測定し、インフレーション(物価上昇)やデフレーション(物価下落)の兆候を検出するのに役立ちます。
前年比 | 今回(6月) | 市場予想(6月) | 前回(5月) |
---|---|---|---|
PCE | +2.5% | +2.5% | +2.6% |
コアPCE | +2.6% | +2.5% | +2.6% |
FRBが金融政策を決定するうえで重要視している指標のPCEですが、結果は市場予想とほぼ同じとなりました。このままでは、利下げを行うための理由が見つからないため、7月はほぼ確実に金利据え置きとなるでしょう。
引用:CME FedWatch Tool
市場の予想も、約94%が7月のFOMCでは金利を据え置くと予想しております。そして、9月に利下げを行うだろうと予想されていますが、もし利下げを行うのであれば理由が必要です。アメリカは、ビハインド・ザ・カーブで金融政策を行うため、何か事が起きてから政策を変更するという進め方をしています。
そうなると、9月の利下げはなぜ行われるのか?と理由を問われると、おそらく経済指標が減速しているから利下げを行うということではないと思います。可能性が高い理由として、失業率の上昇が挙げられるでしょう。
↓リセッション入りするまでの経済の動きを順序立てて解説した記事
上記の記事で解説していますが、今のアメリカは失業率が上昇し始めています。そして、失業率はどこかのタイミングで爆発的に上昇し、それを見て利下げを行うというのがこれまでの歴史で行われてきたことです。そして、今回もそうなる確率は高いと思われますし、失業率が上昇を初めてから利下げを行っても後手後手の対応となってしまい、リセッションは確実に発生します。
今のアメリカは、利下げをしたくてたまらない状況です。ただ、理由がないのです。GDP速報値もPCEデフレーターも、アメリカ経済の強さが表れているため、ここで利下げを行い景気を過熱させるのは、ロジックとして成り立ちません。もし、失業率の上昇を理由に利下げを始めると、それはリセッションが始まったと考えられるでしょう。
歴史は繰り返されます。過去の歴史に学び、これから何が起こるのか?ある程度の予想を立てて、投資戦略を実行するには面白いタイミングに差し掛かっているかもしれませんね。
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