こんにちは、くろいずです。
投資に関わる経済ニュースをお届けします。
毎週土曜日に更新し、1週間でどのようなニュースが発表されていたのか?を分かりやすくまとめています。
※投資を推奨する記事ではございません。
※投資は自己責任・自己判断のもとよろしくお願いします。
2024年1月22日~2024年1月26日の経済情報
2024年1月 日銀金融政策決定会合が行われました!
日本の金利を左右し、経済の方向性を決定づける金融政策決定会合が行われました。
前回の会合では、まだまだ金融緩和の方向へと舵を取ることが伝えられましたが、今回の会合ではどのような判断が下されたのでしょうか?
ただ、日本経済はインフレ率2%の水準を維持できるのか、雲行きが怪しくなっています。
※以下の記事にて解説しています。
個人的には金融緩和を継続するのが妥当だと思いますが、植田日銀総裁の発言から今後の金融政策について読み解いていきましょう。
植田日銀総裁の発言まとめ
- インフレ率2%の目標について、確度は高まっている。
- 労働組合が昨年を上回る賃上げを要求する方針が示されており、大企業を中心に賃上げに前向きな傾向にある。
- 賃金上昇がサービス価格への波及も少しづつ広がっていると考えている。
- インフレ率2%という目標に対して、どのぐらい達成したのか?を定量的に測ることは難しい。
- インフレ率2%の見通しの達成が視野に入り、マイナス金利を解除することになったとしても緩和的な金融環境が当面続く。
- 政策の判断基準はインフレ率2%であり、デフレというマイナスのインフレ率からはかなり遠いところにいる。
概ねマイナス金利を含む金融緩和が今後も続けられるだろうな、という印象でした。
ただ、賃金の上昇が物価に影響し始めていることなど、景気が循環し始めていることを示唆するような発言もあり、今後の日本経済に対してポジティブなシナリオも見据えていそうです。
これまでの植田日銀体制を見ていると、経済データから金融政策を意思決定しているようなプロセスがわかる発言をされているので、ひとまず日本経済がボロボロに壊れていくようなことはなさそうですね。
2023年10-12月期 米GDP速報値が発表!
アメリカ経済の実態を表すGDP速報値が発表されました。
今回の発表は速報値なので、今後にデータの修正などが行われることになりますが、株式市場などが大きく反応するものでもあります。
GDP速報値(Preliminary GDP)は、国の国内総生産(Gross Domestic Product, GDP)の初期の見積もりを示す経済指標です。通常、経済統計機関はGDPの確定版を発表するまでに数回の推計を行います。速報値は、これらの推計の最初の段階であり、国の経済活動全体の初期の評価を提供します。
- 早期の情報提供: GDP速報値は、経済の状態について最初に情報を提供するため、政策立案者や投資家、企業などが迅速に経済の動向を把握するのに役立ちます。
- 修正の可能性: GDP速報値は後に修正されることがあり、最終的な確定版が発表されるまでに数回の修正が行われることが一般的です。これは、新しい情報が入手可能になったり、過去のデータが修正されたりするためです。
- 市場への影響: GDP速報値が予想を上回ったり下回ったりすると、金融市場に影響を与えることがあります。市場参加者は速報値を注視し、将来の経済の方向性を考慮して取引や投資判断を行います。
- 経済政策の調整: 中央銀行や政府はGDP速報値を考慮して、金融政策や経済政策を調整することがあります。特に景気の動向を判断する上で、経済全体の健康状態を示すGDPの情報は重要です。
速報値 | 今回 | 市場予想 | 前回 |
---|---|---|---|
GDP | +3.3% | +2.0% | +4.9% |
市場の予想より大きく上振れる結果となりました。
この発表のより、実体経済の強さが表されたので金利の利下げは当分先のことだろうと市場は反応しています。
引用:CME FedWatch Tool
これまでは、3月からの利下げ予想が大半でしたが、3月の利下げが見送られるだろうとの予想に切り替わっています。
基本的に利下げが行われると株価は上昇しますが、今の経済からその楽観的な思考は危険です。
以下の記事にて解説していますが、アメリカ経済のデータをそのまま鵜呑みにしていると痛い目を見ると思います。
ただ、利下げが行われると一時的に株価が上昇するとは思いますので、そのタイミングで少しづつポジションを落としていくのが良いのかなと考えています。
アメリカ株の上昇には目を見張るものがありますが、大きな調整局面を迎えようとしている事実も認識しながら付き合っていくのがよいでしょう。
2024年1月 米PCEデフレーターが発表!
これまで、データ上は強い結果が出ているアメリカ経済の個人消費を表す指標になります。
個人消費が落ち込むと、経済が沈んでいくのでこの指標にはFRBも注目しているとされています。
個人消費支出(Personal Consumption Expenditures, PCE):これは、アメリカの世帯や個人が購入する商品やサービスにかかる支出を示す指標です。これには食料、住居費、医療費、交通費、エンターテインメント費などが含まれます。個人消費支出はアメリカのGDP(国内総生産)の大部分を占めるため、その変動は経済全体の動向に大きな影響を与えます。
PCEデフレーター:個人消費支出の物価変動を示すための指標で、消費者が支出する商品やサービスの価格変動を追跡します。これにより、消費者物価の変動を測定し、インフレーション(物価上昇)やデフレーション(物価下落)の兆候を検出するのに役立ちます。
前年比 | 今回(12月) | 市場予想(12月) | 前回(11月) |
---|---|---|---|
PCE | +2.6% | +2.6% | +2.6% |
コアPCE | +2.9% | +3.0% | +3.2% |
ほぼ市場の予想通りの結果となり、可もなく不可もなくという状況でしょう。
これまでの推移を見ると、徐々にインフレが落ち着いてきており、ここから2%前後の水準まで下げた後に維持できるか?が求められています。
このまま個人消費の物価指数を維持できるのであれば、アメリカ経済もリセッションに陥ることはほぼないと思います。
ただ、個人の消費が維持できるには労働市場の受け皿と賃金の安定した上昇が必要になります。
今のアメリカ経済では、日本でいうところの正社員からパートタイム労働者へと移行し、仕事を掛け持ちするダブルワーカーが増えています。
それほどまでに雇用が安定しておらず、労働者の賃金も物価に追い付かないという状況です。
この化けの皮がいつはがれるのか?そして、その時の市場へ与える影響がどのぐらい大きいのか?
リスクマネジメントを間違えないように市場と向き合うことが大事です。
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