こんにちは、くろいずです。
投資に関わる経済ニュースをお届けします。
毎週土曜日に更新し、その1週間でどのようなニュースが発表されていたのか?を分かりやすくまとめています。
※投資を推奨する記事ではございません。
※投資は自己責任・自己判断のもとよろしくお願いします。
2023年8月28日~2023年9月1日の経済情報
2023年4-6月期 米GDP改定値が発表!
アメリカのGDP改定値が発表されました。
GDPは、前回の速報値から今回の改定値を経て、最後に確報値にて確定します。
今回は、改定値ですのでまだ確定した値ではありませんが、前回の速報値と比べてどう変化しているか?を見ていきたいと思います。
改定値 | 今回 | 市場予想 | 速報値 |
---|---|---|---|
実質GDP | +2.1% | +2.4% | +2.4% |
個人消費 | +1.7% | +1.8% | +1.6% |
速報値や市場予想と比べて、結果は下振れています。
今の高金利な市場環境が、じわじわと経済へと波及している感じがしますね。
ただ、アメリカはインフレを抑えようとしている局面ですので、このように経済が縮小していくことが望ましくもあります。
今後の発表される経済指標も要注目です。
2023年7月 米PCEデフレーターが発表!
消費者の行動に基づいて計算される、PCEデフレーターが発表されました。
こちらの指数は、CPIよりも経済の実態に近い物価変動を表していると言われているため、FRBなどが金融政策の意思決定をするために使われる重要な指標です。
個人消費支出(Personal Consumption Expenditures, PCE):これは、アメリカの世帯や個人が購入する商品やサービスにかかる支出を示す指標です。これには食料、住居費、医療費、交通費、エンターテインメント費などが含まれます。個人消費支出はアメリカのGDP(国内総生産)の大部分を占めるため、その変動は経済全体の動向に大きな影響を与えます。
PCEデフレーター:個人消費支出の物価変動を示すための指標で、消費者が支出する商品やサービスの価格変動を追跡します。これにより、消費者物価の変動を測定し、インフレーション(物価上昇)やデフレーション(物価下落)の兆候を検出するのに役立ちます。
前年比 | 今回(7月) | 市場予想(7月) | 前回(6月) |
---|---|---|---|
PCE | +3.3% | +3.3% | +3.0% |
コアPCE | +4.2% | +4.2% | +4.1% |
PCEはこれまで順調に落ち着いてきましたが、今回の結果は少しリバウンドしそうな気配を感じます。
単体の発表を見てもわかりづらいですが、過去の推移を見るとなんとなく傾向が掴みやすいかと思います。
そして、コアPCEに関してはわずかに落ちてきているという感じです。
ここまで利上げを行って、高金利水準の中まだまだ消費行動が強いと言えるのではないでしょうか。
PCEだけを見れば十分に利上げの効果を実感できますが、コアが落ちてこないことにはまだまだインフレ退治の道のりは長そうです。
もう少し、金融政策によって引き締めを行わないとインフレが再燃してしまう可能性があります。
インフレ鈍化→インフレ再燃→インフレ鈍化という波を打ちながら、金利は6%まで上昇する可能性もあります。
なんにせよ、まだまだアメリカ経済は強いと思います。
2023年8月 米雇用統計が発表!
今月も、経済活動を測るうえで重要な雇用統計が発表されました。
雇用統計では、平均時給の伸び方や失業率の推移を注目してい見ると、インフレが落ち着いているのか?経済が悪化しているのか?などが掴みやすいと思います。
- 労働力参加率(Labor Force Participation Rate): 労働力参加率は、ある国や地域において、労働可能な人々が労働市場に参加している割合を示します。就業者や求職者の人数を労働力として計算し、総人口に対する割合として表されます。
- 失業率(Unemployment Rate): 失業率は、労働市場において仕事を求めているが見つからず、かつ積極的に求職している人々の割合を示します。一般的に、失業率が低くなると、労働市場が健全であることを示し、経済の好調を反映する指標とされています。
- 雇用創出数(Employment Creation): 雇用創出数は、ある期間(通常は月次または四半期)における新たに創出された雇用の数を示します。これは、新たな雇用契約や雇用拡大によって生まれた雇用機会の数を指します。
雇用統計 | 今回(8月) | 市場予想(8月) | 前回(7月) |
---|---|---|---|
雇用者数 | 18.7万人 | 17.0万人 | 15.7万人 修正前(18.7万人) |
失業率 | 3.8% | 3.5% | 3.5% |
平均時給 | 4.3% | 4.3% | 4.4% |
労働参加率 | 62.8% | 62.6% | 62.6% |
結果を見ると、雇用者数は伸びていますが失業率は上昇し、平均時給はわずかに下がっています。
そして、労働参加率が上昇しているのでコロナのバラマキ政策でばらまかれた貯金などが底を尽き始め、人々が働き始めている可能性があります。
(労働参加率が上昇しているので、雇用者数の絶対値が上昇しているとも言えます。)
上記のグラフでもわかる通り、やはり個人貯蓄がすごい勢いで減少しています。
コロナ給付金でお金をばら撒いた結果、一時的に貯蓄は上昇しましたが、インフレ経済によりお金を吐き出すスピードが今まで以上に早まり、結果としてコロナ給付前よりも貯金が減っている結果になっています。
コロナで給付金をばら撒いた結果、一般人はインフレにより今まで以上の稼ぎを強いられることになっているので、給付金をばら撒いたところで生活は豊かにならないですね。
そして、インフレ経済を抑えるために金利を上昇させ、経済活動を圧迫し、失業率を上昇させて、インフレ経済を抑え込む…と。
投資のために雇用統計の指標を見ながら景気動向を探るのですが、人の意思によって経済がある程度コントロールされているのがなんとも言えない恐怖感すらありますね。
しかし、投資家としては経済データを正しく読み解き、景気の現在位置を測り、投資を実行する。
これから、アメリカの一般人の生活は苦しくなっていく一方だと思いますが、投資家としては早くリセッションを迎えて投資を実行するタイミングが来てほしいと願っていたりもします。
このまま個人貯蓄が底を尽き、失業率が4%を超えた時、景気は本格的に悪化していき、絶好の投資タイミングが訪れるだろうと予想します。
今週のコメント
やはり日本株の時代か!?
8月に入って、調整局面を迎えるか?と思われた日本株ですが、やはり強かったです。
上記は、TOPIXの日足チャートですが8月初旬に下がり始めたものの、終わってみると強い上昇傾向にありました。
そして、日経平均よりもTOPIXのほうが強いという結果が、日本株全体の強さを表していると思います。
一部の大型株に資金が集中しているわけではなく、日本株全体へ資金が集まっていると言えます。
円安の影響もあると思いますが、3月頃から日本への資金流入が止まらないですね。
アメリカも経済は強い状況が続いてますが、やはりリセッションの懸念が拭えません。
いまだに逆イールドが続いていますし、雇用統計もわずかに悪化し始めたところです。
そして、中国に関してはもはや景気後退が始まっていると思われます。
そんな中、日本だけが経済の状況が比較的良く、地政学的なリスクも考慮すると投資先として選ばれていると思います。
日本への資金流入はこのまましばらく続くと思いますし、日本株への投資も積極的に行うことが重要だと思います。
これからは、アメリカ一強の時代ではなくなる可能性が高いです。
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