【雇用統計を疑え】日米の政策金利発表とアメリカの雇用状況を見ると楽観視できない世界経済

週刊投資経済

こんにちは、くろいずです。

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1週間内に発表された経済指標などを定期的にウォッチし、今後の経済動向について解説します。

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2025年7月28日~2025年8月1日の経済情報

日米の金融政策が発表!

FOMC

今週は、日米の金融政策が同時に発表されるという激動の週となりました。さっそくアメリカの金融政策から見ていきたいと思います。

結果としては、金利を据え置き4.25%~4.5%の高金利のレンジとなっております。

高金利を維持する理由としては、トランプ関税の影響を見てから判断するとのことでした。しかし、本音としては失業率が上昇しない限り利下げを行う気はないのでしょう。おそらく、アメリカは失業率が上昇して、経済がクラッシュしない限り、今の高金利政策をやめるつもりはないと思います。

つまり、今後の失業率を見れば、アメリカの政策金利、為替、株価の動きがある程度予想できるというわけです。これからは、雇用統計が最も重要な指標となるでしょう。

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日銀金融政策決定会合

日本も金融政策の発表が行われました。

結果としては、金利を据え置くと判断されました。

日本においては、アメリカのような特定の指標に左右されることがないので、今後の動きについて判断がアメリカより難しいと思います。というのも、景気がそこまでよくないのに金利を引き上げたり、景気が悪いのに金利や税金を下げなかったりと、明らかに経済合理性で動かない市場となっているからです。おそらく、アメリカや外部からの圧力によって金融政策も左右されているのだろうと思います。

ただ、現状の日本の経済としては、インフレ率が再び上昇傾向にあり、賃金はインフレ率ほどの上昇をしていないのでエンゲル係数が上昇し、国民の家計にとってはあまりよろしくない状況になっています。日銀としては、インフレ率を安定させることが使命なので、今の状況では金利を引き下げることはできないでしょう。

今後、日銀が金利を引き下げる方向へと進むとしたら、おそらく外部的な要因で引き下げることになると思います。おそらく、アメリカのリセッションが引き金となり、日銀も政策金利を引き下げることになるでしょう。

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2025年8月 雇用統計が発表!

  1. 労働力参加率(Labor Force Participation Rate): 労働力参加率は、ある国や地域において、労働可能な人々が労働市場に参加している割合を示します。就業者や求職者の人数を労働力として計算し、総人口に対する割合として表されます。
  2. 失業率(Unemployment Rate): 失業率は、労働市場において仕事を求めているが見つからず、かつ積極的に求職している人々の割合を示します。一般的に、失業率が低くなると、労働市場が健全であることを示し、経済の好調を反映する指標とされています。
  3. 雇用創出数(Employment Creation): 雇用創出数は、ある期間(通常は月次または四半期)における新たに創出された雇用の数を示します。これは、新たな雇用契約や雇用拡大によって生まれた雇用機会の数を指します。
雇用統計今回(7月)市場予想(7月)前回(6月)
雇用者数7.3万人10.6万人1.4万人
修正前:14.7万人
失業率4.2%4.2%4.1%
平均時給3.9%3.8%3.8%
労働参加率62.2%62.3%

いよいよ、これまでの高金利政策の副作用が出始めた感じがあります。市場予想よりも雇用者数が大幅に下回り、失業率も0.1%ほど上昇しています。そして、何より前回の雇用者数の発表が14.7万人だったのに対して、後日修正された値が1.4万人と10分の1ほどの値になっています。これほど大きな下方修正が発表されたということは、おそらく実体経済は失業率の値よりも体感として悪いはずです。これから、失業率が本格的に上昇し始めると、政策金利も引き下げられるでしょう。

ただ、問題なのは雇用統計が発表された時点の名目上の数値が、信憑性に欠けるということです。今回でいうと、予想10万人に対して7万人ほどの雇用者数になっていますが、この値をそのまま受け取っていいのか、それともこれよりもっと悪いのか、もしくはもう少し良い値になるのかがわからないところです。これでは、投資家として修正情報が出てからじゃないと判断できません。このようないい加減な統計を発表し、そのうえで成り立っているあやふやなマーケットに投資しているということを自覚したほうがよいでしょう。

当ブログとしては以前から、アメリカはリセッション入りするだろうと予想していましたが、いよいよその時期が近付いているような気がします。今のような株高の水準が、あと3年も続くわけがないことは、今回の雇用統計で明らかになりました。今年中か来年あたりに、アメリカがリセッション入りして世界経済が混乱する可能性が大いに高まっています。人生でそう何回もない絶好の買い場が、そろそろ来るかもしれませんね。

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