こんにちは、くろいずです。
毎週土曜日に更新する、投資に関わる経済ニュースをお届けします。
1週間内に発表された経済指標などを定期的にウォッチし、今後の経済動向について解説します。
※投資を推奨する記事ではございません。投資は自己責任・自己判断のもとよろしくお願いします。
2025年5月12日~2025年5月16日の経済情報
2025年5月 米CPIが発表!
CPIとは、一定の基準年度を基準として、その年度における一般消費者の物価水準を100とし、それ以降の年度での物価の変動を比較します。具体的には、一定のカテゴリー(食料品、住宅、交通費など)の代表的な商品とサービスの価格を調査し、それらの重み付けを行って指数を算出します。
CPIは通常、インフレーション(物価上昇)やデフレーション(物価下落)の指標として使用されます。インフレ率は、異なる期間でのCPIの変動を通じて計算されます。
前年比 | 今回(4月) | 市場予想(4月) | 前回(3月) |
---|---|---|---|
CPI | +2.3% | +2.4% | +2.4% |
コアCPI | +2.8% | +2.8% | +2.8% |
今回のCPIでは、まだトランプ関税の影響が大きく出ていないことがわかります。中国とも関税の交渉を行った結果、アメリカは中国に30%、中国はアメリカに10%と痛み分けのような形で90日間の保留となりました。ここから90日後にそのままの税率で関税が発動するとは考えづらいので、これから関税分のインフレ上昇が発生することは、まだ懸念材料として残ります。
また、今回のCPIでは関税を発動する前に仕入れていた在庫を使っていることもあり、インフレ率の上昇が限定的だったことも言えます。今後のCPIの発表については、関税分も込みの値として発表されるため、これからインフレ率がじわじわ上昇することは間違いありません。そうなった場合に、FRBがどのような金融政策を取るのか?が重要になります。
アメリカからの資本逃避が懸念
現在のアメリカは、債券の利回りが上昇していることもあり、非常にセンシティブな対応に迫られています。というのも、債券利回りが上昇するということは、アメリカの債券が売られている米ドルが売られているということになるからです。つまり、資本がアメリカから逃げていると考えられます。これはトランプ政権が望んでいた状況とは異なるため、中国との関税交渉などでなんとか米ドルの信用を取り戻そうと頑張っています。
これまでの世界は、米国債は世界一安全な金融アセットとして認識されていました。その安全な金融アセットの利回りが上昇するのであれば、普通は買われるはずです。しかし、今はその安全な金融アセットを誰も買おうとしません。これは、明らかな異常事態であり、トランプ政権の関税政策が非常に懸念されていることを示しています。この状況で、アメリカの株や債券を買いに行くのは、あまりにもギャンブル性が高い危険な投資であるということを理解するべきです。今後、米ドルの価値が低下していけば、日本円建てで見た時の米国株の価値も下落するからです。海外の株式に投資をするということは、その国の通貨の信用まで見通しておかなければいけません。今後の米ドルの価値が今のままの価値を保てなければ、米ドルの資産に投資をすることは非常に不利な投資であると言えます。
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