【日米の金融政策】世界情勢の不確実性が高まる中、日本のインフレは上昇してるがリスク回避の判断

週刊投資経済

こんにちは、くろいずです。

毎週土曜日に更新する、投資に関わる経済ニュースをお届けします。
1週間内に発表された経済指標などを定期的にウォッチし、今後の経済動向について解説します。

※投資を推奨する記事ではございません。投資は自己責任・自己判断のもとよろしくお願いします。

2025年6月16日~2025年6月20日の経済情報

日銀金融政策決定会合とFOMCが開催!

今週は、日米の中央銀行が金融政策の発表を行った一週間でした。ざっくりまとめると、結果は以下の通りとなります。

日銀

  • 日銀は、金利を0.5%で据え置き、国債買い入れを段階的に減らす計画を発表しました。
  • 政策金利:無担保コール翌日物金利を0.5%前後で据え置き。これにより、日銀は緩和的な金融政策を維持し、経済の安定を優先する姿勢を示しました。
  • 長期金利の上昇への対応:長期金利が急激に上昇した場合、日銀は国債買い入れを増やしたり、固定金利での買い入れ操作を行ったりする準備があると表明しました。これにより、市場の安定を維持する柔軟性を確保します。

FOMC

  • フェデラルファンド金利:誘導目標を4.25-4.50%の範囲で据え置き。これは、米国経済が堅調に推移している一方で、インフレが依然として2%の目標を上回っていることを反映しています。
  • 追加利下げの見通し:FOMCは2025年にさらに2回の利下げを行う可能性を示唆しました。これは、インフレの動向を慎重に監視しつつ、経済の持続的な成長を支援する姿勢を示しています。
  • 経済見通し:2025年のGDP成長率を1.4%と予想し、インフレ率は一部の指標で3%を上回る可能性があると指摘しました。
  • バランスシートの縮小:国債や住宅ローン担保証券の保有を引き続き縮小する方針を維持しました。
  • リスクの監視:FOMCは、労働市場の状況、インフレ圧力、インフレ期待、金融市場の動向、国際的な要因を引き続き注視し、必要に応じて政策を調整する用意があると述べました。投票メンバーはジェローム・H・パウエルを含む12人で、全員一致で決定されました。

まとめ

今回の金融政策では、日米ともに金利を据え置き、市場への影響を限定的に抑えようとした印象があります。というのも、現在はイスラエルとイランの戦争勃発によって、世界情勢が非常に不安定な状況にあります。その状況で自国通貨への影響を与えるような金融政策を行うことは、非常にリスクであると言えます。

そして、当ブログの予想としては、今後の戦争とトランプ関税によってインフレが加速するのではないか?と思います。アメリカに関しては、利下げではなく利上げもあり得るかもしれません。とにかく、今の米国株は何かのトリガーで大きく動く寸前だと思うので、上に動くも下に動くもボラティリティが高くなると思います。その点に注意しながら、自分のリスク許容度に応じた投資になるように常に警戒しておくのが良いと思います。

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2025年6月 日本のCPIが発表!

CPIとは、一定の基準年度を基準として、その年度における一般消費者の物価水準を100とし、それ以降の年度での物価の変動を比較します。具体的には、一定のカテゴリー(食料品、住宅、交通費など)の代表的な商品とサービスの価格を調査し、それらの重み付けを行って指数を算出します。
CPIは通常、インフレーション(物価上昇)やデフレーション(物価下落)の指標として使用されます。インフレ率は、異なる期間でのCPIの変動を通じて計算されます。

前年同月比今回(5月)市場予想(5月)前回(4月)
CPI+3.5%+3.5%+3.6%
コアCPI
(生鮮食品を除く)
+3.7%+3.6%+3.5%
コアコアCPI
(生鮮食品及びエネルギーを除く)
+3.3%+3.2%+3.0%

今回も市場予想を上回っての着地となります。ただ、個人的には日本のインフレ率がこの程度で本当に済んでいるのか?疑問に思います。お米の価格などを見ればわかる通り、インフレ率が3%で落ち着いているようには思えません。意図的にインフレ率を低く見積もっている可能性も考えて置きながら、今後の投資戦略を考えて置きましょう。

日銀は利上げしないのか?

これほどまでにインフレが進んでいるのであれば、日銀が利上げする理由にはなり得ます。しかし、今回の金融政策決定会合では、利上げを見送りました。考えられる理由としては、以下が挙げられます。

  • インフレの先行き不透明さ:現在のインフレは主に輸入コストや米価の上昇によるもので、持続性が不確実です。日銀はこれが一時的な現象か、需要主導のものかを慎重に評価する必要があります。
  • 経済条件の不確実性:特に米国の貿易政策や中東の地政学的緊張による原油価格の上昇がリスク要因として挙げられています。これらの要因が日本の経済成長やインフレに悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 2%インフレ目標の達成が不確実:日銀はインフレが持続的に2%に達することを確認するまで利上げを見送る方針です。現在の基調的なインフレはまだ目標に達していません。
  • 外部要因の影響:米国の関税強化や貿易摩擦が企業の利益や賃金交渉に悪影響を及ぼす可能性があり、これが経済全体に波及するリスクがあります。
  • コストプッシュ要因:食料やエネルギー価格の上昇が消費者のインフレ期待に影響を与える可能性があり、日銀はこれを慎重に監視しています。

上記の要因から、日銀が利上げに踏み切ることは難しく、今後もしばらくは金利を据え置くのではないか?と予想します。おそらく、インフレ率としては現状の3%以上の体感が続くと思うのですが、外部要因によって日銀が下手に利上げを行うと、世界全体の経済がクラッシュしかねない状況でもあります。正直、日本の経済が堅調であれば、世界経済なんて知ったこっちゃないのですが、アメリカや中国がそれを許すわけもなく、外部の圧力がかかっていることは今回の金融政策決定会合からも理解できるでしょう。なので、日本の金利が引き上げられるか?は、外部が安定していないと不可能だと思います。

ただ、日本株は今後も上昇し続けると思いますし、今の状況では米国株よりも日本株の方が割安で今後の上昇幅が大きいと思います。当ブログとしては、以前から米国株よりも日本株へとシフトしているので、また何かのショックがあれば日本株を買い集めようと思います。あくまで、投資許容度の範囲での投資なので、市場から退場しないように注意を払って投資を継続します。

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