こんばんは、くろいずです。
金利には3ヶ月債金利や2年債金利や5年債金利、10年債金利、30年債金利など年数に応じた金利が用意されています。
一般的にFOMCなどで決定される”金利”という言葉が指すのは、3ヶ月債金利のことを指している場合が多いです。
金利が上がると株価は下落しやすくなりますが、各年数の金利ごとにもそれぞれの役割が設けられており、とある基準を逸脱してしまうと景気後退のサインとして警戒されます。
今回は、金利の役割と金利が株式相場に伝える暗黙のルールについてまとめてみます。
各年数ごとの金利が果たす役割
3ヶ月債 | 2年債 | 5年債 | 10年債 | 30年債 | |
数年間の金融政策 | 非常に強い | 非常に強い | 強い | 普通 | 弱い |
投資家の需要 | 弱い | 弱い | 普通 | 普通 | 非常に強い |
経済の強さ | 非常に弱い | 非常に弱い | 弱い | 普通 | 普通 |
財政リスク | 非常に弱い | 非常に弱い | 非常に弱い | 弱い | 普通 |
金利とは、各年数ごとによってそれぞれ特色があります。
上の表にまとめましたが、それぞれの金利が受ける影響の強さを表しました。
例えば、2年債であれば1年~3年ほどの金融政策の影響をもろに受けます。
上記のグラフでは、2年債金利が上がり始めた21年10月ぐらいから1年ほどは上昇し続けていることがわかります。
そして、FRBの金融政策に従って、3ヶ月債金利は追随していることもわかります。
このように、金利にはそれぞれが役割を持っていることがわかるのですが、一番重要視されているのは10年債です。
10年債金利は、長期間で見た経済の強さや財政状況など様々な要因が反映された金利だと言われます。
なので、経済の指標や各国の金利を比較する際に使用されることが多いです。
逆イールドとは?
金利とは、一般的に短い物ほど低く、長いものほど高いという性質を持ちます。
例えば、2年債金利は0.5%だけど10年債金利は1.5%といった具合です。
こちらは、借金ですので返済期間が長ければ長いほど、何があるかわからないので返ってくる保障が薄いからです。
つまり、長い期間貸すのであれば金利は高くするよ、でもすぐ返してくれるなら金利は低くするよといった心理的な部分が働きます。
そこで、各年数ごとの金利はイールドカーブという曲線を描きます。
こちらは、金利の高さと年数を折れ線で表したグラフです。
年数が長くなればなるほど、金利が高くなっていることがわかります。
しかし、直近の赤線に関しては、どうやら様子がおかしいようです。
なんと、10年債の金利より2年債の金利のほうが上回ってしまってます。
これが、逆イールドと呼ばれる現象です。
各年数ごとに金利は役割がありますので、2年債は今後3年ほどの金融政策を表します。
10年債は、経済の強さそのものを表します。
つまり、2年債が10年債を上回るということは、経済の強さ以上に金融が引き締められる「景気後退」を意味することになるのです。
なので、逆イールドは景気後退のサインなのではないか?と言われています。
まとめ
現在は、逆イールドが発生している状況ですが、過去の歴史を振り返ると逆イールドが発生した後には景気後退が発生しています。
上記のグラフの緑部分が、景気後退が発生している期間です。
こちらのグラフをみると、2022年の逆イールドは2023年に向けた景気後退のサインなのではないか?と勘ぐってしまいます。
また、現在のインフレを抑えなければいけない状況で強すぎる米雇用統計などが発表され、今後の3ヶ月債や2年債の金利はまだまだ上昇すると考えられます。
そうなると、景気後退が発生するのは時間の問題とも言えるので、今後のFOMCの利上げに目が離せません。
まだまだ、株式に強気で投資するには時期尚早と言えるでしょう。
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