こんにちは、くろいずです。
毎週土曜日に更新する、投資に関わる経済ニュースをお届けします。
1週間内に発表された経済指標などを定期的にウォッチし、今後の経済動向について解説します。
※投資を推奨する記事ではございません。投資は自己責任・自己判断のもとよろしくお願いします。
2025年9月8日~2025年9月12日の経済情報
2025年9月 米CPIが発表!
CPIとは、一定の基準年度を基準として、その年度における一般消費者の物価水準を100とし、それ以降の年度での物価の変動を比較します。具体的には、一定のカテゴリー(食料品、住宅、交通費など)の代表的な商品とサービスの価格を調査し、それらの重み付けを行って指数を算出します。
CPIは通常、インフレーション(物価上昇)やデフレーション(物価下落)の指標として使用されます。インフレ率は、異なる期間でのCPIの変動を通じて計算されます。
前年比 | 今回(8月) | 市場予想(8月) | 前回(7月) |
---|---|---|---|
CPI | +2.9% | +2.9% | +2.7% |
コアCPI | +3.1% | +3.1% | +3.1% |
CPIは市場の予想通りの結果となり、インフレがまだまだ高水準であることがわかりました。しかし、前回の記事でも紹介した通り、アメリカの雇用は非常に悪い状態になっており、今すぐにでも利下げを行わないと経済が破綻してしまいます。
↓前回の雇用統計を紹介した記事
しかし、CPIが発表された後の市場の金利予想は、年内3回の利下げというシナリオがメインシナリオになっています。それほど、現状の高金利が経済にとって危険だと見ているのでしょう。

新規失業保険統計
さらに、これまで取り上げてこなかった経済指標ですが、毎週金曜日に発表されている新規失業保険統計では、市場予想が23.5万件に対して結果が26.3万件と予想を大きく上回っています。
新規失業保険統計とは、その名前の通り新たな失業者が失業保険を受給している件数です。この値が伸びているということは、もちろん失業者が増えて失業保険を受け取る人が増えているということです。日本でいうところの雇用保険のようなものです。この値が増えているということは、CPIが発表しているインフレ率のような経済の強さは虚像であり、実体経済は失業者が溢れ始めているということになります。
今回のCPIと新規失業保険統計を総合してみると、物価は上昇しているが雇用は悪化しているというスタグフレーションの状態がより鮮明になってきたのではないかと思います。物価の上昇が企業の好業績に繋がり、新たな人を雇用するという好循環のような経済にはなっていないということです。おそらく、物価の上昇はトランプ関税の影響であり、関税の上昇は企業の利益にならないので、新たな人を雇う余裕が企業にはないのだろうと想像します。
今の米国経済を見ると、思ったより早くトランプ関税の悪影響が出てきたなという感想です。トランプ大統領としては、2年後の中間選挙に備えて経済を動かしていかなければならないので、2025年は景気を悪化させて2026年で景気を回復、そして中間選挙へと進めようとしているのだろうと思います。そのシナリオも頭に入れながら、今後の投資戦略を考えておきたいと思います。
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