こんにちは、くろいずです。
毎週土曜日に更新する、投資に関わる経済ニュースをお届けします。
1週間内に発表された経済指標などを定期的にウォッチし、今後の経済動向について解説します。
※投資を推奨する記事ではございません。投資は自己責任・自己判断のもとよろしくお願いします。
2025年5月5日~2025年5月9日の経済情報
2025年5月 ISM景気指数が発表!
- 製造業景況指数(Manufacturing Purchasing Managers’ Index, PMI): 製造業の生産活動、新規受注、在庫、雇用などの項目について調査し、それらの指標を総合的に評価したものです。PMIは、50を基準として、50以上で景況の改善を示し、50以下で景況の悪化を示します。
- 非製造業景況指数(Non-Manufacturing Purchasing Managers’ Index, NMI): 非製造業(サービス業、建設業など)の新規受注、ビジネス活動、雇用、在庫などの項目について調査し、それらの指標を総合的に評価したものです。NMIも、50を基準として、50以上で景況の改善を示し、50以下で景況の悪化を示します。
ISM景気指数 | 今回(4月) | 市場予想(4月) | 前回(3月) |
---|---|---|---|
製造業 | 48.7 | 48.0 | 49.0 |
非製造業 | 51.6 | 50.2 | 50.8 |
製造業内訳 | 今回(4月) | 前回(3月) |
---|---|---|
新規受注 | 47.2 | 45.2 |
雇用 | 46.5 | 44.7 |
非製造業内訳 | 今回(4月) | 前回(3月) |
---|---|---|
事業活動・生産 | 53.7 | 55.9 |
新規受注 | 52.3 | 50.4 |
雇用 | 49.0 | 46.2 |
今回のISM景気指数には、トランプ関税が発動される前の駆け込み需要が入っていながら、この数値であるという点に注意が必要です。トランプ関税が発動する前に、企業は必要な製品や部品を輸入しておき、新規発注を行うという動きがあります。その需要の先取りとも言えるデータでこの程度の数値であれば、実体経済はかなり悪化していることが想像できます。
関税の影響としては、企業の生産を圧迫し、消費者の購買力を消耗させます。つまり、生産数が減るので価格を上昇させるしかないインフレの兆候と、消費者が上昇したインフレについていけないデフレの兆候が見られる、いわゆるスタグフレーションという状態に陥っています。これでは、企業の成長が低下し、景気後退に入ることは免れないでしょうし、金融機関の資金繰りが詰まればリセッションへと陥ることになるでしょう。
2025年5月 FOMCが開催!
結果から見ると、政策金利は据え置かれ4.25~4.5%の金利を維持することになりました。
市場のインフレが落ち着いてこない限り、政策金利を引き下げる必要はありませんが、家計のクレジットカードローンや住宅ローンの規模がインフレの影響で大きくなっています。このローンにも金利が影響するため、アメリカ国民としては金利を引き下げてもらわないと利息を払うことすらきついというような状況になっている可能性があります。
また、トランプ政権としては、米国債の利払い費が防衛費を上回っていることからも、金利を引き下げるようにFRBへと圧力をかけていますが、パウエル議長がそれを気にすることなく金利を据え置いているので、国の運営としても厳しい状況が続いています。このままガタガタな歪んだ経済状況が続けば、米ドルの信認も失い、米国債が売り払われるような事態にもなりかねません。
当ブログとしては、以前から失業率の上昇が金利を引き下げるトリガーになるだろうと主張してきましたが、今のところそのシナリオ通りに進んでいると思います。というのも、FRBの仕事の目的としては物価の安定と雇用の最大化です。物価は今のところインフレ基調ではあるので、金利を引き下げる理由になりません。雇用の最大化も、失業率が4.2%で止まっていることを考えると、まだ金利を引き下げる理由にはならないでしょう。なので、パウエル議長としてはトランプ政権からどれほど圧力をかけられようとも、データを基に仕事をこなしているだけだと反論できる状況です。
今後のトランプ関税でインフレが助長されることを考えると、金利を引き下げるトリガーは失業率の上昇以外にあり得ません。つまり、失業率が上昇してから金利を引き下げるという歴史通りの動きをするはずなので、これから始まる景気後退はリセッションまで進んでいく可能性があります。当ブログとしては、リセッションをメインシナリオとして置いているので、現状の積立投資は継続しつつ資金を手元に残した状態を維持しておこうと考えています。
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