こんにちは、くろいずです。
毎週土曜日に更新する、投資に関わる経済ニュースをお届けします。
1週間内に発表された経済指標などを定期的にウォッチし、今後の経済動向について解説します。
※投資を推奨する記事ではございません。投資は自己責任・自己判断のもとよろしくお願いします。
2025年4月7日~2025年4月11日の経済情報
2025年4月 米CPIが発表!
CPIとは、一定の基準年度を基準として、その年度における一般消費者の物価水準を100とし、それ以降の年度での物価の変動を比較します。具体的には、一定のカテゴリー(食料品、住宅、交通費など)の代表的な商品とサービスの価格を調査し、それらの重み付けを行って指数を算出します。
CPIは通常、インフレーション(物価上昇)やデフレーション(物価下落)の指標として使用されます。インフレ率は、異なる期間でのCPIの変動を通じて計算されます。
前年比 | 今回(3月) | 市場予想(3月) | 前回(2月) |
---|---|---|---|
CPI | +2.4% | +2.5% | +2.8% |
コアCPI | +2.8% | +3.0% | +3.1% |
トランプ関税でCPIの発表どころではありませんが、今回のアメリカCPIを見るとインフレ率が鈍化してきていることがわかります。特にコアCPIに関しては、3%を切りました。高金利政策を維持したことで、ようやくインフレ率が目標としている2%まで近づいてきたこともあり、これから利下げが行われる可能性も出てきました。
懸念はトランプ政権の関税
インフレ率が鈍化してきたからと言って、利下げを行えるほど下落するのか?は微妙なタイミングだと言えます。なぜなら、トランプ政権が全世界に向けて関税を行うと宣言しており、日本もその対象に入っています。関税を行うと、自国で販売されている商品の価格に関税分が上乗せされるため、インフレが鈍化してきたにも関わらず、関税分の上乗せによるインフレが再燃してしまうからです。
そうなると、これまで失業率の上昇を容認しながらも高金利政策を維持し、インフレを鈍化させてきた意味が無くなってしまいます。経済は非常に冷え込んでいるにも関わらず、関税でインフレが再燃するとなれば、FRBは利下げができなくなります。FRBが利下げできないとなると、再び景気にブレーキをかけることになるので、経済活動は縮小し、雇用も減少していくでしょう。そうなると、その先に待っているのはリーマンショックレベルのリセッションだろうと思われます。
ただ、今のところトランプ政権は関税の対象を中国に絞り、それ以外の国は90日間の猶予を与えるという状況になっているので、経済全体がダメになるほどではなさそうです。しかし、90日後にその他の国々にも関税をかけるとなれば、おそらく世界経済が急激に減速していくと思われます。
このような世界経済に対してアメリカの発言一つで変わってしまう不透明な状態では、投資を積極的に行うべきではないと考えています。コイントスで表が出れば2倍、裏が出れば0のようなギャンブル的な要素が大きい相場になっています。このタイミングで投資に積極的になるのは、投資ではなくギャンブルです。カジノでルーレットの赤か黒にベットしているのと同じ状況です。なぜなら、各企業のファンダメンタルではなく、トランプの発言で株価が動くからです。
トランプ政権は2年後の中間選挙までは確実に続くので、それまでは投資を積極的に行うのではなく、積み立て投資も少し抑えて現金を残しておいた方が良いかもしれません。さらに、S&P500や全米株式のような米国一択に投資する投資信託は非常に危険です。なぜなら、関税は米国自身もダメージを負うことになるからです。その状況で、米国一択の投資ではダメージを全部受けることになってしまいます。なので、当ブログでは積立投資に「8資産バランス型」を軸として「TOPIX」も買っています。これから米国発のリセッションが来るだろうと思ってますし、日本は比較的にダメージが少なくなる可能性が高いと考えているからです。これまでのような、S&P500神話は今年か来年で消え去るでしょう。新NISAで積立投資を始めて、痛い目を見る人が増えると思います。投資はあくまでも余力資金で行い、投資対象も時間軸も分散させることが大事です。これから厳しい相場が待ち受けていると思いますが、現金比率を増やして、ダメージを受けても何とか生き残って、投資を継続させましょう。最後に笑うのは、投資を継続した人々です。
コメント
ブログ拝見しています。インフレが落ち着いてきたように見える中で、関税によって再び物価が上昇し、利下げができなくなるという流れの解説がとても分かりやすく、今後の経済の不透明感を実感しました。今の相場は企業のファンダメンタルではなく、政治的発言で大きく動くという点にも納得しました。確かに、どれだけ業績が良くても一言で株価が振り回される今の状況では、冷静さと慎重さが必要だと感じます。
モーリーさん
いつも当ブログをご覧いただき、ありがとうございます。
トランプ関税の不透明さが残る現状では、FRBとして利下げに踏み切ることは難しいでしょうね。
なので、利下げ前提での投資を考えていると、痛い目を見るかもしれません。
その代表例が、債券だと思われます。
米国債は、世界一安全な金融商品として認識されていましたが、トランプ関税の影響で「アメリカが、今後何をしてくるかわからない」という不安感から債券が売られ金利が上昇するという事態に発展しました。
これまでの世界は、米ドルが基軸通貨として流通していましたが、今後はトランプ関税次第では米ドルの信認も揺らぎかねない状態です。
新NISAが始まり、S&P500や米国株が最強のような風潮がSNSなどで見られますが、当ブログとしてはS&P500の時代は終わりを迎えようとしているのではないか?と思います。
今は、世界秩序が変化しようとしているタイミングですので、今後の覇権国がはっきりするまで混沌とした時期に入りそうですね。