【堅調なインフレ】インフレ率と雇用の安定を両立できない米国経済のトランプリスク

週刊投資経済
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こんにちは、くろいずです。

毎週土曜日に更新する、投資に関わる経済ニュースをお届けします。
1週間内に発表された経済指標などを定期的にウォッチし、今後の経済動向について解説します。

※投資を推奨する記事ではございません。投資は自己責任・自己判断のもとよろしくお願いします。

2024年11月11日~2024年11月15日の経済情報

2024年11月 米CPIが発表!

CPIとは、一定の基準年度を基準として、その年度における一般消費者の物価水準を100とし、それ以降の年度での物価の変動を比較します。具体的には、一定のカテゴリー(食料品、住宅、交通費など)の代表的な商品とサービスの価格を調査し、それらの重み付けを行って指数を算出します。
CPIは通常、インフレーション(物価上昇)やデフレーション(物価下落)の指標として使用されます。インフレ率は、異なる期間でのCPIの変動を通じて計算されます。

前年比今回(10月)市場予想(10月)前回(9月)
CPI+2.6%+2.6%+2.4%
コアCPI+3.3%+3.3%+3.3%

今回のCPIを見ると、相変わらず景気の堅調さを感じさせる結果となっています。ただ、コアCPIに関しては2021年からの急激にインフレが進み始めてから、2%まで下落したことがありません。結局のところ、潜在的なインフレが落ち着いているとは言えない状況です。

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雇用を維持するため、利下げしたいFRB

この状態でも、雇用が維持できなくなっているためFRBは利下げを急がなければいけません。インフレ率は、2%~4%ほどの幅を見ておくのが普通なので、今の状態であれば多少の利下げは可能だと言えます。ただ、その程度の利下げでアメリカの雇用が回復するほどのインパクトがあるかと言われると、おそらく厳しいでしょう。

雇用統計が民主党政権の下での発表では信用に値するものではなくなりましたが、それでもここ数ヶ月の失業率は上昇しています。それも、民間雇用と政府雇用の内訳を見ると、民間雇用はマイナスになっているにもかかわらず、政府雇用のほうで大幅なプラスとなっており、結果としては雇用市場は堅調だというように見せかけています。このような状況での失業率なので、民間雇用だけで失業率を取るとおそらく過去のリセッション時と同等のレベルまで高まっていることでしょう。

↓民間雇用は激減、政府雇用が激増について触れた記事

経済は堅調であるが、雇用が厳しい状況にあり、FRBに課されている景気と雇用を守る使命を果たすことが難しくなっています。インフレが上昇しないほどに利下げを行い、そのレベルの利下げで雇用が回復しないことには、使命を果たせません。なので、インフレしてでも雇用を守るのか、インフレを落ち着かせるために失業者を増やすのか、どちらかを選択しないといけない局面になっています。

このような場合、インフレをどうにかしないと通貨の価値が無くなってしまう恐れがあります。ハイパーインフレという状態ですね。なので、インフレを抑えるために失業率を上昇させ、リセッションに入るという選択を取らないと、米ドル自体の価値が失われることになります。なので、リセッションはかなりの確率で発生すると以前から主張していることが、より明確にわかりやすい形で見えてきました。

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トランプ政権での米ドル安がもたらすリスク

トランプ政権に変わっても、アメリカの経済状況が改善する見込みはないでしょう。むしろ、トランプ政権下では、よりアメリカのインフレが上昇する恐れがあります。なぜなら、今の米ドル高によって自国の製造業が壊滅的な状況に陥っているからです。これまで、当ブログではISM景気指数を取り上げてきましたが、製造業に関しては常に50を下回っている状態です。自国通貨高は製造業にとって向かい風となるので、そこを改善するためには米ドル安へと誘導する必要があります。米ドル安にするためには、金利を下げる必要があるため利下げを行わないといけませんが、利下げするとインフレが加速してしまいます。ここの舵取りをトランプ政権で間違ってしまうと、本当に米ドルがハイパーインフレ状態になってしまう恐れがあるのです。

今後、アメリカの金融政策がどのような舵取りを行うのか、全世界が注目していると思います。一投資家としても、アメリカの動きは見逃せません。今後も、アメリカの経済指標やFOMCでのパウエル議長の発言などを取り上げ、金融政策の方向性を見定めながら投資を継続していこうと思います。

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