こんにちは、くろいずです。
毎週土曜日に更新する、投資に関わる経済ニュースをお届けします。
1週間内に発表された経済指標などを定期的にウォッチし、今後の経済動向について解説します。
※投資を推奨する記事ではございません。投資は自己責任・自己判断のもとよろしくお願いします。
2025年4月14日~2025年4月18日の経済情報
2025年4月 日本のCPIが発表!
CPIとは、一定の基準年度を基準として、その年度における一般消費者の物価水準を100とし、それ以降の年度での物価の変動を比較します。具体的には、一定のカテゴリー(食料品、住宅、交通費など)の代表的な商品とサービスの価格を調査し、それらの重み付けを行って指数を算出します。
CPIは通常、インフレーション(物価上昇)やデフレーション(物価下落)の指標として使用されます。インフレ率は、異なる期間でのCPIの変動を通じて計算されます。
前年同月比 | 今回(3月) | 市場予想(3月) | 前回(2月) |
---|---|---|---|
CPI | +3.6% | +3.7% | +3.7% |
コアCPI (生鮮食品を除く) | +3.2% | +3.2% | +3.0% |
コアコアCPI (生鮮食品及びエネルギーを除く) | +2.9% | +2.9% | +2.6% |
全体のCPIは停滞しつつありますが、生鮮食品やエネルギーを除くコアCPIやコアコアCPIでは、上昇傾向にあります。内訳を見ると、以下の通りです。

相変わらず食品や水道光熱費のエネルギー価格は上昇傾向にあります。その他、家具・家事用品が上昇していますが、おそらく新シーズンに向けて引越しや買い替えなどの需要が強かったので、このような結果になったのだろうと想定できます。4月発表のCPIは、日本だと新学期や新社会人などの人々の動きが活発になるタイミングでもあるので、その辺を考慮してみる必要がありますね。
トランプ関税の影響で日本経済はインフレする?
日本のCPIも重要ですが、やはりトランプ関税がもたらす日本経済への影響も考慮しておくべきでしょう。日本企業としては、お得意先のアメリカが関税を引き上げるぞ!と言っているので、アメリカでの商売がやりづらくなります。そうなると、どこかでその売り上げを補填しようと努力するはずですので、やはり日本国内向けに少し高めに売ってくる企業も増えてくるのではないか?と想像しています。つまり、日本はこれまで円安によるコストプッシュ型のインフレが主導となり、物価上昇を引き起こしてきましたが、これからは円高傾向にもなりつつあり海外で売りづらくなっているので、日本国内で少し価格を上乗せした形で販売し、売り上げを少しでも補填しようとする動きが出てくると思います。
日銀がこれまで拙速な利上げを進めてきていましたが、裏でアメリカとこのようなやりとりや想定があったのかもしれないと想像すると、相当やり手だなと思います。日本の経済が良くなっている兆しはありつつも、それにブレーキをかける形で利上げしてきたわけですから、経済を見る者としては意味がわかりませんでした。しかし、日銀が利上げしなかった場合、これからのトランプ関税で急速なインフレが日本国内で進むことを考えると、やはり徐々にYCC(イールドカーブコントロール)をやめたり、ゼロ金利政策を終わらせたりと、金融政策の進め方としては振れ幅が少なくなるように制御していたのかなと思います。
これが結果論なのか、それとも裏で合意されていた何かがあるのかはわかりませんが、とにかく日本としては経済的になんとか綱渡りを続けられる状態にあると思います。
日本はインフレ時代か?
今の世界情勢を考えると、トランプ関税もそうですが中国による尖閣諸島周辺の領海侵犯が止まらないなど、明らかに不安定な状況が続いています。そして、その不安定さは物の流通にも影響するでしょう。これから、冷戦時代のような特定の経済圏を共有しあう国同士しか貿易をしないというブロック経済へと時代が移行しようとしています。つまり、世界中に安い商品を売りつけていた中国のデフレ輸出が終わります。となると、世界中の物の価格は上昇する傾向にあるでしょうし、日本国内でも日本製の物が増えるでしょう。これがデフレの終焉となり、インフレ時代へと突入する根本的な理由となります。
ここで考えておきたいことは、インフレ時代には日本円という現金の価値が目減りしていくということです。もちろん銀行に預けていた100万円は100万円という数字のまま減ることはないのですが、100万円で買えるものがどんどん減ってくるということです。つまり、現金で資産を保全しようとするのが不可能な時代へと進んでいるため、株式や不動産、金のようなコモディティなど何かに資産を換えておく必要があります。個人的には、株式への投資が一番手っ取り早く、やりやすい時代になっていると思うので、株式投資の割合が大きいですが、現物の金も保有しています。株式投資も良いのですが、前提条件としてネットが使える状態が必須なので、リアルで何か起こった場合に金の現物があれば、それだけで何ヶ月か凌げるような資産になっているので、そういう意味でも分散しています。
また、株式投資もアメリカ株ではなく、インフレが起こっている日本の株を買っていた方が有利になると考えています。これからアメリカは、これまでのようなインフレに耐えれる経済構造ではなくなってきているので、トランプ関税のようなもので税収を得ようと国が考えています。それは世の中に流通している米ドルを政府が引き上げるということです。つまり、マネーサプライが減少傾向にあるということです。そうしないと、米ドルを無限に刷り続けて人々が「米ドルの価値ないよね」と思われたら、アメリカという国の経済が崩壊するからです。なので、少しでも米ドルを回収し、米ドルの希少価値を上げようと考えているわけですね。しかし、そうなるとアメリカはインフレではなくデフレ経済へと進むため、日本の失われた30年のような時代を過ごすことになるでしょう。
日本円の価値が再認識される時代
なんだかんだで、日本は経済的に一番進んでいると感じるのはこの辺りです。日本のバブル崩壊が起きた後に、アメリカでリーマンショックが発生し、今は中国で不動産バブルの崩壊が起きています。そして、日本はデフレ経済へと進んでいき、ここ数年でインフレ経済へと戻ってきたのですが、アメリカと中国はこれからデフレ経済を経験することになります。そして、世界的にみると日本の対外純資産は世界一なので、一番資産を持っている国となっています。この辺の経済的なバランス感覚や時代の先取りが日本が一番進んでいなければ、対外純資産世界一にはならなかったことでしょう。
米ドルの価値がなくなったとしても、日本円の価値が失われづらい理由としては対外純資産の多さが一つ挙げられます。他にも製造業で技術的に有利な立場にもあるので、物の輸出という意味では日本円の価値は思った以上に割り引いて見られている傾向にあります。なので、日本円が円高になった時、日本円で暮らしている日本人としては世界中の資産を割安で買える状況になるので、そのタイミングで海外の株式へと投資をするのは理にかなっていると思います。しかし、基本的には日本がインフレになっているのであれば、日本株を素直に買っておくことが良い投資となることは間違い無いです。
当ブログとしては、新NISAでS&P500一辺倒の投資をされている方などに、少しでも分散投資の重要性や日本株の優位性を知ってもらえれば幸いです。投資の格言で靴磨きの少年の話がありますが、今の新NISAでのS&P500積み立て神話は、まさしく靴磨きの少年を再現しているのでは無いかと感じます。これから起こるであろう世界的なリセッションで、投資をやめることのないように安全な資産配分を心がけておくことが大事かと思います。
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