【日米インフレ逆転】日本のCPI鈍化と米国PCE高止まり。日米の金融政策が引き起こす「市場の歪み」とは?

週刊投資経済

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2026年2月16日~2026年2月20日の経済情報

2026年2月 日本のCPIが発表!

CPIとは、一定の基準年度を基準として、その年度における一般消費者の物価水準を100とし、それ以降の年度での物価の変動を比較します。具体的には、一定のカテゴリー(食料品、住宅、交通費など)の代表的な商品とサービスの価格を調査し、それらの重み付けを行って指数を算出します。
CPIは通常、インフレーション(物価上昇)やデフレーション(物価下落)の指標として使用されます。インフレ率は、異なる期間でのCPIの変動を通じて計算されます。

前年同月比今回(1月)市場予想(1月)前回(12月)
CPI+1.5%+1.9%+2.6%
コアCPI
(生鮮食品を除く)
+2.0%+2.3%+2.4%
コアコアCPI
(生鮮食品及びエネルギーを除く)
+2.6%+2.7%+2.9%
欧米型コアCPI
(食品及びエネルギーを除く)
+1.3%+1.6%

今回は非常に悪い結果となりましたね。やはり、日銀による拙速な利上げでインフレが定着せずに、経済が冷え込む結果となりました。ただ、ガソリン暫定税率廃止などによる影響もあるため、一概に経済がデフレに戻るとは断定できません。以下が主な要因だと思われます。

CPI鈍化に影響を与えた主な要因

① 【最大要因】ガソリン暫定税率廃止による「エネルギー価格の急落」

今回のCPI鈍化を最も強く牽引したのがエネルギー分野です。 2025年末をもって「ガソリンの暫定税率」が廃止された影響がダイレクトに表れ、ガソリン代が前年同月比で14.6%の大幅下落を記録しました。また、電気代(-1.7%)や都市ガス代(-3.7%)の下落も重なり、エネルギー全体で物価指数を強力に押し下げています。

② 「食料品価格」の値上げペースがピークアウト

普段の生活実感に近い「生鮮食品を除く食料」は+6.2%と依然として高い水準にありますが、前月の+6.7%からは明確に伸びが鈍化しています。昨年高騰した米類も+27.9%(前月+34.4%)と落ち着きを見せ始めており、価格転嫁の波が一旦ピークを越えつつありそうです。(ただ、食料品の価格上昇はすさまじいものがありますけどね…)

③ 政策による「教育費」の無償化効果

高校授業料の実質無償化政策が波及し、公立高校の授業料が前年同月比で94.1%下落しました。このような政府の政策的な価格押し下げ効果も、指数全体の伸びを抑制する要因となっています。

まとめ

今回のインフレ鈍化の結果を受けて、市場では「日銀が追加利上げを行う必要性が薄れた」との見方が広がりました。その影響もあって、ドル円は一時155円台をつけるなど、円安圧力がかかりました。これでも利上げを行うようであれば、いよいよ日銀の金利政策が市場を無視して世界的なリセッションを発生させる引き金を引こうとしているのかもしれません。次回の日銀金融政策決定会合は目が離せませんね。

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2026年2月 PCEデフレーターが発表!

個人消費支出(Personal Consumption Expenditures, PCE):これは、アメリカの世帯や個人が購入する商品やサービスにかかる支出を示す指標です。これには食料、住居費、医療費、交通費、エンターテインメント費などが含まれます。個人消費支出はアメリカのGDP(国内総生産)の大部分を占めるため、その変動は経済全体の動向に大きな影響を与えます。
PCEデフレーター:個人消費支出の物価変動を示すための指標で、消費者が支出する商品やサービスの価格変動を追跡します。これにより、消費者物価の変動を測定し、インフレーション(物価上昇)やデフレーション(物価下落)の兆候を検出するのに役立ちます。

前年同月比今回(1月)市場予想(1月)前回(12月)
PCE+2.9%+2.8%+2.8%
コアPCE+3.0%+2.9%+2.8%

日本の結果とは裏腹に、アメリカのインフレは根強く残っていることがわかります。現在のアメリカでは、FRBの金融政策が利下げトレンドになっているため、この結果は次回のFOMCで利下げをするには不都合な結果となりました。ただ、トランプ政権は一貫して利下げの姿勢を崩さないため、次回のFOMCでどちらの方向に動くのか目が離せません。

インフレが上昇した主な要因

① サービス消費の力強い増加

内訳を見ると、モノ(財)への支出は75億ドル減少した一方で、サービスへの支出が985億ドルも大幅に増加しました。モノの価格高騰は落ち着きつつありますが、この「サービス価格の高止まり」がコア指数の上昇を直接的に牽引しています。

② 「所得増」が「消費」を力強く支える好循環

個人の所得が前月比+0.3%と着実に増加しており、それに伴って実際の個人消費支出(PCE)も前月比+0.4%と力強く伸びています。人々の財布の紐が固くなっておらず、需要が旺盛なため、企業も価格を下げにくい(インフレが定着しやすい)状態が続いています。

まとめ

これほどまでに根強いインフレは、これからの金融政策に確実に影響を及ぼします。先ほどの日本のCPIと比較しても、インフレが日本は鈍化しアメリカは上昇しているのにもかかわらず、金融政策は真逆のトレンドをお互いの国が行っています。この歪みこそが、今後の市場に悪影響を与えることになるでしょうし、もしかすると金融政策のトレンド転換が発生するかもしれません。なんにせよ、今年は市場のボラティリティが高まる一年となりそうですね。

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