【リセッション前夜】好調なPCEデフレーターに騙されず、リセッションを警戒するべき理由

週刊投資経済
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こんにちは、くろいずです。

毎週土曜日に更新する、投資に関わる経済ニュースをお届けします。
1週間内に発表された経済指標などを定期的にウォッチし、今後の経済動向について解説します。

※投資を推奨する記事ではございません。投資は自己責任・自己判断のもとよろしくお願いします。

2024年11月25日~2024年11月29日の経済情報

2024年11月 PCEデフレーターが発表!

個人消費支出(Personal Consumption Expenditures, PCE):これは、アメリカの世帯や個人が購入する商品やサービスにかかる支出を示す指標です。これには食料、住居費、医療費、交通費、エンターテインメント費などが含まれます。個人消費支出はアメリカのGDP(国内総生産)の大部分を占めるため、その変動は経済全体の動向に大きな影響を与えます。
PCEデフレーター:個人消費支出の物価変動を示すための指標で、消費者が支出する商品やサービスの価格変動を追跡します。これにより、消費者物価の変動を測定し、インフレーション(物価上昇)やデフレーション(物価下落)の兆候を検出するのに役立ちます。

前年比今回(10月)市場予想(10月)前回(9月)
PCE+2.3%+2.3%+2.1%
コアPCE+2.8%+2.8%+2.7%

これからトランプ政権が始まり、本格的な利下げが始まるだろうと一般的には予想されていますが、今回のPCEデフレーターを見ると利下げをしてしまって大丈夫なのかと心配になるレベルの好調さです。今の経済が強い状況で利下げをしてしまうと、2022年レベルのインフレが再燃してしまうかもしれません。

経済は堅調だが、市場は利下げを予想

しかし、市場は利下げを予想しており、このまま市場の予想通りに利下げされるのであれば、間違いなくインフレが再燃してしまいます。このように、コロナ時の一時的な救済措置として膨大なお金をばら撒くと、後々に訪れる後遺症のコントロールが出来なくなってしまいます。

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時間差で発生するリセッション

ただ、現状の高金利を維持すると、それはそれで経済がクラッシュしハードランディングを迎えることになるでしょう。利下げしようが、高金利を維持しようが、リセッションが発生することは確定していると思います。

上記のグラフは、青が失業率、赤が政策金利を表しています。過去のデータを見ると、政策金利が一時的に高止まりした後は、失業率の上昇が始まると同時に利下げを行ったタイミングでリセッションへと突入しています。そして、現在の状況は?というと、高止まりした政策金利によって失業率が上昇し始め、政策金利の利下げを始めようとしたタイミングです。これは、過去のデータから見ると、まさしくリセッションが始まろうとしているタイミングです。

このままトランプ政権へと移行し、利下げを実行してしまってアメリカ経済は大丈夫なのでしょうか?今は、非常に難しい状況に追い込まれていると思います。トランプ政権は過去の発言から、自国の製造業を復活させるために自国通貨安へと誘導したいはずです。自国通貨が安くなれば、他国への輸出競争力が高まり、自国の製品が売れ、経済が潤うからです。ただ、今の状況でそれをやってしまうと、過去の歴史から見るとリセッションへと入ることが証明されています。

↓リセッションまでの手順を解説した記事

どのような切り口から見ても、今のアメリカはリセッションへと進んでいるようにしか思えません。ただし、株価が好調なのでこのまま全力投資を続けると、暴落が来た時に大きく損失が出てしまいます。自身のポートフォリオを確認し、リスク資産の割合が適正な水準に抑えられているのか?今一度、確認しておくことをおすすめします。そして、これからも積み立て投資は継続し、大きな暴落が来たところでスポット購入ができるように、現金を一定水準残しておくのがよいでしょう。

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