【驚きの下方修正】ISM景気指数と雇用統計の矛盾

週刊投資経済
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こんにちは、くろいずです。

投資に関わる経済ニュースをお届けします。
毎週土曜日に更新し、その1週間でどのようなニュースが発表されていたのか?を分かりやすくまとめています。

※投資を推奨する記事ではございません。
※投資は自己責任・自己判断のもとよろしくお願いします。

2024年3月4日~2024年3月8日の経済情報

2024年3月 米ISM景気指数が発表!

企業の購買担当者へ調査されるISM景気指数が発表されました。
企業の購買力を調べることで、現在の景況感を測るために使われる指標となります。

  1. 製造業景況指数(Manufacturing Purchasing Managers’ Index, PMI): 製造業の生産活動、新規受注、在庫、雇用などの項目について調査し、それらの指標を総合的に評価したものです。PMIは、50を基準として、50以上で景況の改善を示し、50以下で景況の悪化を示します。
  2. 非製造業景況指数(Non-Manufacturing Purchasing Managers’ Index, NMI): 非製造業(サービス業、建設業など)の新規受注、ビジネス活動、雇用、在庫などの項目について調査し、それらの指標を総合的に評価したものです。NMIも、50を基準として、50以上で景況の改善を示し、50以下で景況の悪化を示します。
ISM景気指数今回(2月)市場予想(2月)前回(11月)
製造業47.849.549.1
非製造業52.653.053.4

製造業・非製造業のどちらも市場予想を下回る結果になりました。

ここ数ヶ月のアメリカが発表する経済指標は、発表時には強い値を出しておき、発表後に下方修正を繰り返すという姑息な手法を使っています。
そんな状況でも、ISM景気指数は発表後に修正をしていないので、この指数はある程度信頼できるものなのかなと思っています。

そんな指数がこれほど悪い値になっているということは、やはりアメリカの経済が非常に良くない状況であることがわかります。

引用:Investing.com

上記のグラフは、過去5年分のISM製造業指数を表したものです。
2022年の終わりごろから、常に50を下回っています。

このISM製造業指数を見ると、そろそろ景気の縮小にも限界がきていて、リセッションに入ってしまっても不思議ではありません。

ソフトランディングだ!と市場は期待していますが、あまり楽観的に見ていると痛い目にあいそうです。

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2024年3月 雇用統計が発表!

これまで、さんざん予想から乖離した値が発表されている雇用統計ですが、今回は過去の発表時のデータにも注意して見ておく必要があります。

  1. 労働力参加率(Labor Force Participation Rate): 労働力参加率は、ある国や地域において、労働可能な人々が労働市場に参加している割合を示します。就業者や求職者の人数を労働力として計算し、総人口に対する割合として表されます。
  2. 失業率(Unemployment Rate): 失業率は、労働市場において仕事を求めているが見つからず、かつ積極的に求職している人々の割合を示します。一般的に、失業率が低くなると、労働市場が健全であることを示し、経済の好調を反映する指標とされています。
  3. 雇用創出数(Employment Creation): 雇用創出数は、ある期間(通常は月次または四半期)における新たに創出された雇用の数を示します。これは、新たな雇用契約や雇用拡大によって生まれた雇用機会の数を指します。
雇用統計今回(2月)市場予想(2月)前回(1月)
雇用者数27.5万人20.0万人22.9万人
修正前:35.3万人
失業率3.9%3.7%3.7%
平均時給4.3%4.4%4.4%
労働参加率62.5%62.5%

やはり注目すべきは、雇用者数のブレ方でしょう。
前回も、予想を大きく上回った値が発表されていましたが、今回も市場の予想からはかなり上振れています。

そして、前回の雇用者数が修正されて35.3万→22.9万に下方修正されています。
およそ1/3ぐらいの雇用者が存在しなかったことになります。

これでは、この指数を見て景気の動向を探るのは難しいでしょう。
最初に発表された値だけではなくて、その後の修正まで追いかけないと真相に近づけません。

また、雇用統計が強い理由は移民ダブルワーカーの存在です。

つまり、日本でいうところの正社員の雇用が増えているわけではなく、パートタイム労働者が増えていて雇用の統計として表れています。

これでは、経済が強いとは言えないでしょう。

ここ数年ほど、米国株がブーム的にもてはやされていましたが、靴磨きの少年とはよく言ったものです。
そろそろ米国株サイクルの終焉が訪れそうです。

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