こんにちは、くろいずです。
毎週土曜日に更新する、投資に関わる経済ニュースをお届けします。
1週間内に発表された経済指標などを定期的にウォッチし、今後の経済動向について解説します。
※投資を推奨する記事ではございません。投資は自己責任・自己判断のもとよろしくお願いします。
2025年2月3日~2025年2月7日の経済情報
2025年2月 ISM景気指数が発表!
- 製造業景況指数(Manufacturing Purchasing Managers’ Index, PMI): 製造業の生産活動、新規受注、在庫、雇用などの項目について調査し、それらの指標を総合的に評価したものです。PMIは、50を基準として、50以上で景況の改善を示し、50以下で景況の悪化を示します。
- 非製造業景況指数(Non-Manufacturing Purchasing Managers’ Index, NMI): 非製造業(サービス業、建設業など)の新規受注、ビジネス活動、雇用、在庫などの項目について調査し、それらの指標を総合的に評価したものです。NMIも、50を基準として、50以上で景況の改善を示し、50以下で景況の悪化を示します。
ISM景気指数 | 今回(1月) | 市場予想(1月) | 前回(12月) |
---|---|---|---|
製造業 | 50.9 | 49.3 | 49.2 |
非製造業 | 52.8 | 54.0 | 54.0 |
製造業内訳 | 今回(1月) | 前回(12月) |
---|---|---|
新規受注 | 55.1 | 52.1 |
雇用 | 50.3 | 45.4 |
非製造業内訳 | 今回(1月) | 前回(12月) |
---|---|---|
事業活動・生産 | 54.5 | 58.0 |
新規受注 | 51.3 | 54.4 |
雇用 | 52.3 | 51.3 |
今回の発表は、トランプ政権に切り替わる前の民主党政権時代の最後の経済指標となります。ここで、製造業も50を上回り、製造業・非製造業ともに雇用が50を上回っているため、堅調な経済を保てているような印象を受けます。民主党政権時代の異常なバラ撒きとステルス緩和により、アメリカ経済は無理やりにでも堅調にならざるを得なかったことを考えると、妥当な数値かもしれません。
来月から発表されるISM景気指数は、トランプ政権が始まってからの経済指標になるため、そこがどのように推移しているかを注目する必要があります。トランプ政権では、DOGEと呼ばれる政府効率化省を立ち上げ、イーロン・マスクを筆頭に政府の無駄な支出をカットする政策が行われます。経済の面から見るとお金の無駄なばら撒きをやめることになるので、一旦のリスクオフとなり一時的な株式市場の下落は容易に想像できます。そこで、慌てて売らずに経済の推移を見守ることが重要ですが、もしかするとそこがトリガーとなりリセッションへと陥ることも考えられます。なので、今は無理して米国株を買うことはせず、キャッシュに余裕を持たせておくことが今後の投資パフォーマンスに大きく差をつけることになるでしょう。
2025年2月 雇用統計が発表!
- 労働力参加率(Labor Force Participation Rate): 労働力参加率は、ある国や地域において、労働可能な人々が労働市場に参加している割合を示します。就業者や求職者の人数を労働力として計算し、総人口に対する割合として表されます。
- 失業率(Unemployment Rate): 失業率は、労働市場において仕事を求めているが見つからず、かつ積極的に求職している人々の割合を示します。一般的に、失業率が低くなると、労働市場が健全であることを示し、経済の好調を反映する指標とされています。
- 雇用創出数(Employment Creation): 雇用創出数は、ある期間(通常は月次または四半期)における新たに創出された雇用の数を示します。これは、新たな雇用契約や雇用拡大によって生まれた雇用機会の数を指します。
雇用統計 | 今回(1月) | 市場予想(1月) | 前回(12月) |
---|---|---|---|
雇用者数 | 14.3万人 | 17.0万人 | 30.7万人 修正前:25.6万人 |
失業率 | 4.0% | 4.1% | 4.1% |
平均時給 | 4.1% | 3.8% | 4.1% |
労働参加率 | 62.6% | – | 62.5% |
これまでの民主党政権時代の雇用統計は、非農業部門雇用者数がヘッドラインで発表された数値よりもサイレントで下方修正されるということが度々行われており、雇用統計の信憑性が失われていました。しかし、今回の雇用統計では前回の雇用者数が発表された数値よりも実際は上振れるという、これまでとは違ってヘッドラインだけを良く見せるというような結果ではありませんでした。そして、先ほどの記事でも触れた通り、ISM景気指数は強い結果となっており、これらが示すことは一貫して景気が良いということです。
さらに、失業率も直近の高値では4.2%から4.1%と下落し、今回は4.0%と下落傾向にあります。過去の記事でも解説しましたが、リセッションが訪れるのであれば失業率の上昇→政策金利の急激な低下という流れになるはずですが、今のところ失業率は上昇していません。雇用統計の発表された事実だけを見れば、リセッションになるどころか経済が正常な方向へと進んでいるように思えます。
↓リセッションまでの道のりを解説した記事
当ブログの見立てでは、これから失業率の上昇は必至だと予想しています。理由としては、やはり経済のインフレ圧力による購買力低下が引き起こす企業の売り上げ高減少、そしてトランプ政権のDOGEによる政府職員を解雇するという政策が挙げられます。もちろん、直接的に失業率が上昇するようなやり方は行わないと思いますが、さすがに今のアメリカ経済・政治の現状を考えると楽観的にはなれません。2025年も何事もなく株式市場は上昇し続けるかもしれませんが、安易に投資判断を下していると足元をすくわれる可能性があります。今年も去年に引き続き、あまり投資には積極的になれない一年を過ごすかもしれませんね。
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