こんにちは、くろいずです。
毎週土曜日に更新する、投資に関わる経済ニュースをお届けします。
1週間内に発表された経済指標などを定期的にウォッチし、今後の経済動向について解説します。
※投資を推奨する記事ではございません。投資は自己責任・自己判断のもとよろしくお願いします。
2025年1月20日~2025年1月24日の経済情報
2025年1月 日本のCPIが発表!
CPIとは、一定の基準年度を基準として、その年度における一般消費者の物価水準を100とし、それ以降の年度での物価の変動を比較します。具体的には、一定のカテゴリー(食料品、住宅、交通費など)の代表的な商品とサービスの価格を調査し、それらの重み付けを行って指数を算出します。
CPIは通常、インフレーション(物価上昇)やデフレーション(物価下落)の指標として使用されます。インフレ率は、異なる期間でのCPIの変動を通じて計算されます。
前年同月比 | 今回(12月) | 市場予想(12月) | 前回(11月) |
---|---|---|---|
CPI | +3.6% | +3.4% | +2.9% |
コアCPI (生鮮食品を除く) | +3.0% | +3.0% | +2.7% |
コアコアCPI (生鮮食品及びエネルギーを除く) | +2.4% | +2.4% | +2.4% |
今回の結果を見ると、露骨に食料品とエネルギー価格の上昇が影響していることがわかります。生活必需品の支出が占める割合が高くなり、家計の余裕がなくなってきていることだと思われます。

内訳を見てみると、一時期SNSで話題になっていたキャベツの価格高騰やお米の高騰、他には電気代の高騰など、生活必需品の価格高騰が著しく目立っています。娯楽費に関しては、12月ということもあり国内で働いている外国人などが海外へ帰省したりする影響で、外国パック旅行費が高騰しているのだと思われます。最近もSNSで話題になっていますが、お米の価格高騰などは農協が日本国内で消費するのではなく、海外へ割安価格で輸出していたり、農家の取り分は減っているのにも関わらずお米の価格が高騰していたりと、お役所によるお米の中抜きが取り沙汰されています。
お米の価格に関しては、「農家の取り分が増えているのであれば価格高騰も仕方ないか…」となりますが、農家の取り分が減っているのにお米の価格が高騰しています。つまり、その差額はどこかに消えているわけです。これでは、いくら農家が頑張っても間に入っている農協ばかりが潤い、日本の個人消費が増えないので経済にとっては悪影響です。
また、電気代に関しても、再エネ賦課金という太陽光パネルなどが生み出すエネルギーに対して支払う金額が非常に高くなっています。そして、その太陽光パネルは中国で生産されているわけなので、再エネ賦課金とは中国に流れるお金となります。その価格が高騰している影響で、日本のCPIが押し上げられ、それを見た日銀が利上げをしようものならさらに家計は圧迫され、個人消費は落ち込んでいくでしょう。
労働者の手取りが増え、個人消費の支出が増え、価格に転換されるというのが強い経済の姿ですが、今は労働者の手取りが減り、個人消費の支出が減るが、なぜか電気代やお米の価格が高騰する、という歪な状態になっています。これまでの円安による物価高騰で、日本のインフレ率は上昇しましたが、今起きているインフレ率の上昇は、政治やお役所の中抜きによる影響が大きいでしょう。
2025年は、日本は利上げ傾向にあり、アメリカは利下げ傾向にあるため、日米金利差が縮小し、ドル円が円高へ動く1年だと思います。歴史的に見ると、過去の金融危機が到来した時は必ず日本の利上げが発生しています。日本円の供給が逆戻りする時こそ、世界の金融に悪影響を及ぼすわけです。ただ、今の日本の状況で利上げを行うなど、経済へ不必要な悪影響を及ぼすだけだと思いますけどね…
2025年1月 日銀の金融政策決定会合が開催!
結果は、25bpの利上げとなり、政策金利は0.5%となりました。
やはり、今年の日銀は利上げ傾向にあると言えるでしょう。おそらく、今年は最低でもあと1回は25bpの利上げを行うと思います。背景には、ドル円の為替の影響や物価の高騰などが挙げられると思いますが、本当に日本の経済が良くなっているか?と問われれば、先ほどの日本のCPIの結果を見た通り、若干怪しいところはあります。ただ、全体的にデフレを脱却し、インフレ時代へ移行し始めていることは間違いないでしょう。
以下、植田日銀総裁の発言をピックアップします。
- 「2%の『物価安定の目標』に向け 徐々に高まっている」
- 「経済・物価の見通し実現すれば引き続き金利を引き上げ」
- さらなる利上げは「予断は持たず 適切に政策を判断」
- 物価上昇率「緩やかに上昇しているという範囲」
上記の発言から見てわかる通り、「日本の物価の上昇を期待しているので利上げを行う」という理屈のようです。金融政策とは、十分な利上げ余地(十分に強い好景気)を確認してから金融の引き締めを行うのが筋ですが、日本の場合は景気が強くなりそうという憶測で金融引き締めを行っています。これは、アメリカのビハインド・ザ・カーブの金融政策とは真逆のアヘッド・オブ・ザ・カーブでの金融政策となります。アメリカのように、インフレ率が8%も上昇してから急激に引き締めを行うのは良くないと思いますが、今のコアコアCPIで2.4%しかない状態で引き締めを行うのは早すぎます。2024年は日本株にとって飛躍の一年となりましたが、2025年の日本株は少しブレーキがかかり調整局面となるかもしれません。十分な資金を残しつつ、投資を継続していきましょう。
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